長く地域に愛されながらも閉店した自転車販売店を改装し、サイクルカフェやゲストハウスとして活用しようとする施設「ラドーレ神河」が、兵庫県神河町に1日、オープンした。神河町では2018年から「神河ヒルクライム」を開催するなど(※2020年は新型コロナウイルスの影響で中止)、自転車を活用した町おこしに力を入れており、その拠点となる施設として期待がかけられている。

ラドーレ神河を視察した山名宗悟・神河町長(10月30日午前=ラドーレ神河)
ラドーレ神河を視察した山名宗悟・神河町長(10月30日午前=ラドーレ神河)

 同施設はもともと自転車販売店を兼ねた住宅だったが、築50年以上が経ち、空家の状態となっていた。そこで、主力の分譲マンション事業だけでなく古民家再生事業に必要性を見出す和田興産と、古民家再生の実績があるデザインクラブリンク(いずれも神戸市)が手を組み、簡易宿泊施設(ゲストハウス)やサイクルカフェ、コワーキングスペースを備えた複合施設として生まれ変わらせた。「ラドーレ」という名前は、「旅人」を意味する「ランドヌール」という自転車用語と、和田興産のマンションブランド「ワコーレ」組み合わせた造語だという。

ラドーレ神河のオープンを記念しテープカットをする山名宗悟・神河町長(中央)ら(10月30日午前=ラドーレ神河)
ラドーレ神河のオープンを記念しテープカットをする山名宗悟・神河町長(中央)ら(10月30日午前=ラドーレ神河)

 建物は南北の棟があり、それぞれ2階建て。南側1階のカフェでは、サイクリストが手軽に栄養を取れるようにスープとパンのセットを提供するほか、ロードバイクをレンタサイクルとして貸し出す。同2階はWi-Fiやコピー機を完備したコワーキングスペースになっており、ブースでのテレワークや会議に使用できる。サイクリングの後に汗を流すシャワールームも備える。

サイクルカフェの中のようす。シンプルで洗練された雰囲気
サイクルカフェの中のようす。シンプルで洗練された雰囲気
コワーキングスペースにある小会議用のテーブル。Wi-Fiやコピー機を完備しており、仕事がはかどりそうだ
コワーキングスペースにある小会議用のテーブル。Wi-Fiやコピー機を完備しており、仕事がはかどりそうだ

 北側の棟は1階、2階ともにゲストハウスで、専用の入口を進むと、古民家の持つあたたかい雰囲気をいかした隠れ家風の空間が出現。和室での宿泊となる。家電やアメニティが充実しているほか、2階には屋上があり、天気が良ければ星空を見ることができる。1日1組限定で、最大8人まで利用可能。料金は素泊まりで、1人5千円から。

ゲストハウス専用の入り口。料亭のような落ち着いた雰囲気。オートロック機能付きでセキュリティは万全
ゲストハウス専用の入り口。料亭のような落ち着いた雰囲気。オートロック機能付きでセキュリティは万全
和室に布団を並べて宿泊する。外国人からの人気も高そうだ
和室に布団を並べて宿泊する。外国人からの人気も高そうだ

 神河町の山名宗悟町長は、「立ち寄るだけではない、滞在できる施設として期待している。(最寄り駅から徒歩3分と)素晴らしい位置にあり、JR寺前駅前がまた元気を取り戻す原動力になるのではないか。行政も一緒になって盛り上げていきたい」と話した。同町には映画や大河ドラマのロケ地に選ばれるなど注目される砥峰高原の周辺エリアや、日本遺産に選ばれた「銀の馬車道」沿いなど、名所が数多くある。山名町長は「サイクリストであれば神河町一周も可能だろう。神河町を自転車の名所にしていきたい」と力強くアピールした。

「ラドーレ」という名前は、「旅人」を意味する「ランドヌール」という自転車用語と、和田興産のマンションブランド「ワコーレ」組み合わせた造語だという
「ラドーレ」という名前は、「旅人」を意味する「ランドヌール」という自転車用語と、和田興産のマンションブランド「ワコーレ」組み合わせた造語だという