尼崎の小さな映画館と沖縄・西表島のジャングルにかつて存在した炭鉱を舞台に個人の生と歴史が織りなす物語「波の上のキネマ」(原作:増山実)が、地元・兵庫県立ピッコロ劇団と関西俳優陣が取り組む「ピッコロ劇団第69回公演 ピッコロシアタープロデュース」として、上演される。

(着席の)前列左から、原作者の増山実さん、脚本・演出の岩崎正裕さん。後列左から、主人公を演じる三坂賢二郎さん、出演する森本研典さん、岡野一平さん、鈴木あぐりさん
(着席の)前列左から、原作者の増山実さん、脚本・演出の岩崎正裕さん。後列左から、主人公を演じる三坂賢二郎さん、出演する森本研典さん、岡野一平さん、鈴木あぐりさん

 閉館の危機にある尼崎・立花の小さな映画館の経営者・安室俊介。祖父同士が知り合いだったという台湾に住む男から電話が入り、そこから俊介は創業者である祖父の波乱に満ちた人生をたどることになる。脱出不可能と言われた絶海の島での壮絶な運命、そこに差す希望の光とは何かを描く物語だ。

 制作発表会見で、原作者の増山実さんは、「『波の上のキネマ』は一言でいうと、映画と映画館を感じる物語であり、尼崎と沖縄を感じる物語。それを尼崎を本拠とするピッコロ劇団が上演するのはうれしい。近代と現代、スクリーンの向こう側とこちら側、そして時間と空間が交わる物語を『舞台』でどのように表現するか、『映画』を『演劇』でどのように表現するのか、小説でも映画でも表現できない豊かな世界が繰り広げられることを楽しみにしている」と語った。

 また、脚本・演出を手掛けるのは、関西小劇場シーンをけん引する岩崎正裕さん。岩崎さんは、「原作を読み、主人公を待ち受ける苦難の連続と映画への愛があふれる描写に大きく心が揺さぶられ、俺しかやれないという気持ちになった。苦しい映画館の状況でも希望を捨てないという作品のテーマに、コロナ禍の今の私たちへのメッセージが込められている」と話した。そして、「原作の味わいを損なわないことを大事に、舞台ならではの面白さを表現したい」と意気込みをみせた。

◆兵庫県立ピッコロ劇団第69回公演/ピッコロシアタープロデュース
「波の上のキネマ」
原作 増山実「波の上のキネマ」(集英社刊)
脚本・演出 岩崎正裕(劇団太陽族)
出演 兵庫県立ピッコロ劇団員 / 関西俳優陣

開催日時
2月19日(金)19:00〜
2月20日(土)〜21日(日)11:00〜 / 16:00〜

会場 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
(西宮市高松町2-22 阪急西宮北口駅からすぐ)

料金 一般4500円、大学生・専門学校生3000円、高校生以下2500円(全席指定)