2月19日(金)から兵庫県立芸術文化センターで上演される舞台「波の上のキネマ」の原作者、増山実さんがラジオ番組『平田オリザの舞台は但馬』(ラジオ関西)に出演。作品の魅力について語った。

『平田オリザの舞台は但馬』より
『平田オリザの舞台は但馬』より
平田オリザさん
平田オリザさん

「波の上のキネマ」は閉館の危機にある尼崎の小さな映画館の若き経営者が、創業者である祖父の波乱に満ちた人生をたどることになるという長編小説。舞台化にあたっては兵庫県立ピッコロ劇団から依頼があり、今作で演出を務める「劇団太陽族」主宰・岩崎正裕さんの強い要望もあって実現した。

 増山さんは「映画化、舞台化というとカットされることがほとんどだから覚悟していたけれど、原作に忠実で驚いた」「原作を読んでから見てほしい。舞台ならではの工夫に気づくことができるから。小説だと『現実』と『空想』は分けて描くんだけれど、舞台は同時に成立させたりできる」と、舞台化の面白さについてコメント。

 番組パーソナリティーで劇作家・演出家の平田オリザさんは「演劇というのは古い芸術表現(形態)だから、人の想像力に頼る部分が非常に大きい。カット割りから何からなかった時代からある表現なので。どこまで観客に任せるかが作家のさじ加減」と、観客と作り上げる舞台の魅力を語った。

増山実さん
増山実さん

 また、「波の上のキネマ」には映画館がいくつか登場するが、「塚口ルナ劇場」は実際に尼崎市塚口にある「塚口さんさんシネマ」がモデルになっている。日本の映画館のほとんどが今やシネコン(1施設内に5つ以上のスクリーンを備えた複合型映画館)だが、塚口サンサン劇場のような、いわゆる“町の映画館”は数えるほどだ。豊岡にも廃業寸前だった映画館を地元の人が買い取り「豊岡劇場」として今や地域になくてはならない場所となっている。そんな『街のあかり』のような映画館が舞台となっている作品だ。

 最後に増山さんは「放送作家として30年やってきたが、これからは小説を軸にやってみたい。演劇、映像ではできない、小説でしかできないことをやってみたい」と意欲をみせた。

写真左から田名部真理さん、増山実さん、平田オリザさん(※撮影時にマスクを外していただきました)
写真左から田名部真理さん、増山実さん、平田オリザさん(※撮影時にマスクを外していただきました)

◆兵庫県立ピッコロ劇団第69回公演ピッコロシアタープロデュース
『波の上のキネマ』
公演日程 2月19日(金)〜21日(日)
会場 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
料金 一般4500円、大学・専門学校生3000円、高校生以下2500円
問い合わせ ピッコロ劇団(電話06-6426-8088)