発生から16年を迎えるJR福知山線脱線事故の風化を防ごうと、負傷者や家族でつくる「空色の会( JR福知山線事故・負傷者と家族らの会 )」が今年も、「空色の栞(しおり)」を作った。(※記事中写真は2021年2月〜4月・川西市男女共同参画センターで撮影)

『空色の栞』5000枚作成、ブルーのリボン付けも「空色の会」のメンバーで
『空色の栞』5000枚作成、ブルーのリボン付けも「空色の会」のメンバーで

 用意された5000枚のうち、3000枚は4月からJR福知山線沿線の三田、西宮名塩、宝塚、川西池田、伊丹、尼崎駅に置き、無料配布している。

2021年『空色の栞』原画 水彩画で青空の繊細なグラデーションと向かい合う2人
2021年『空色の栞』原画 水彩画で青空の繊細なグラデーションと向かい合う2人

 栞は事故から4年経った2009年から毎年作成。これまでは乗降客らに手渡しで配っていたが、新型コロナウイルス感染予防で昨年(2020年)からは沿線主要駅の窓口に置き、利用客に手に取ってもらうことにした。

メンバーそれぞれが近況を語り、1つ1つの栞にリボンを付ける
メンバーそれぞれが近況を語り、1つ1つの栞にリボンを付ける
2021年のイメージは「歩んできた道・これからも歩む道」(写真左奥が作者・福田裕子さん)
2021年のイメージは「歩んできた道・これからも歩む道」(写真左奥が作者・福田裕子さん)

 デザインは1両目で重傷を負った団体職員の福田裕子さん(宝塚市)が手掛ける。福田さんは当時大阪芸術大・3年で日本画を専攻していた。約3週間の入院を経て復学したが、デッサンの授業で絵のモデルを前にすると事故当時の光景が思い出され、人物画が描けなくなったこともあったという。事故当日の空を思い出させる、澄んだ青色が印象的な水彩画で、1本のまっすぐな道に向かい合う2人の影が立つ。「歩む・歩んでゆく」という気持ちを表現した。

1両目に一緒に乗っていた木村仁美さん(左)と福田裕子さん(右)高校時代の同級生 寄り添い、支え合い16年を迎える
1両目に一緒に乗っていた木村仁美さん(左)と福田裕子さん(右)高校時代の同級生 寄り添い、支え合い16年を迎える

 福田さんはラジオ関西の取材に「それぞれが自分なりに心の中で折り合いをつけ、現時点での生活を大事にしている。それぞれが選び、今まで歩んできた道とこれから歩む道を表現したかったのです。2005年4月25日、確かに私たちはここ(事故現場)にいました。そして16年、それぞれの人生を歩んでいます。せめてこの青空が広がる季節に、皆さんにも事故が起きたことを思い出してもらうために、表現者として描き続けます」と話した。

「空色の栞(しおり)」はJR福知山線沿線・三田、西宮名塩、宝塚、川西池田、伊丹、尼崎駅で無料配布<写真は尼崎駅>
「空色の栞(しおり)」はJR福知山線沿線・三田、西宮名塩、宝塚、川西池田、伊丹、尼崎駅で無料配布<写真は尼崎駅>