60年のキャリアを持ち、今なおアクティブな活躍を続けるデザイナー・コシノヒロコの大規模な展覧会が、兵庫県立美術館で開かれている。6月20日(日)まで。

 コシノヒロコはファッションやデザインという言葉が定着する前から洋服づくりにかかわり、着るものの持つ力を実感してきたデザイナーだ。「アートがデザインのベースにあった」と話すコシノは、中高生時代には画家になりたかったといい、歴代のコレクションだけではなく絵画も併せて展示する。

「フワフワ」や「ルンルン」「ニョキニョキ」など14のオノマトペを使い、日本語の愉快な音の響きに合わせ、コシノヒロコワールドへといざなう。

コシノヒロコさん
コシノヒロコさん

 会場の入り口「フワフワ」では5・2メートルの「ヒロコちゃん大風船」人形が出迎えてくれる。

展示風景「フワフワ」
展示風景「フワフワ」

 歴代のコレクションで使われた色とりどりのタイツだけを集めた「ニョキニョキ」。コシノ自身が一つ一つコーディネートし直したという「ワクワク ドキドキ」は歴代のコレクションの中から106体が並ぶ。その空間は圧巻で、まさに「ワクワク ドキドキ」だ。

 また2020年のステイホームの期間中に描いた「不思議な世界の住人」をアニメーション映像化した。子どもの声のオノマトペにあわせシュールな生き物たちが動き回る。

展示風景「ニョキニョキ」
展示風景「ニョキニョキ」
展示風景

 過去の作品だけでなく未来に向けての作品も。幼いころ、母親に買ってもらったパステルに大喜びし絵を描いた。その頃の自分と同じくらいの子どもたちに笑顔の絵を描いてもらい、コシノが色をつけた。「子どもたちにバトンを渡したい」という願いを込めている。

 コシノは安藤忠雄設計の自邸に30年以上暮らし、同じく安藤忠雄が設計した兵庫県立美術館で展覧会を開催したいと思っていたという。「アートとファッションを一体にしてこれだけの数で表現するのは世界でも珍しい。兵庫県立美術館だからこそできた」。

 コロナ禍で精神的なダメージを受ける中、コシノは「元気になってほしい。日本の元気を取り戻したいという思い」があり、「過去の作品を一堂に見て、私自身もエネルギーを感じた。新しい次への希望をつないでもらいたい」と話した。

展示風景
子どもの絵に、コシノヒロコさんが色をつけたもの
子どもの絵に、コシノヒロコさんが色をつけたもの