コロナ禍で迎えた2度目の夏も、海の事故が増加している。 神戸を拠点とする第五管区海上保安本部(兵庫、大阪、高知など主に瀬戸内海・太平洋に面した7府県を管轄)が「海の日(7/22)」や「スポーツの日(7/23)」を含む4連休を中心に、7月31日(土)まで『海の事故ゼロキャンペーン』を実施、海難事故防止に力を入れる。

「海の事故ゼロキャンペーン2021」ポスター<※画像提供・海上保安庁>
「海の事故ゼロキャンペーン2021」ポスター<※画像提供・海上保安庁>

 第五管区海上保安本部(神戸市中央区)によると、2021年1〜6月に起きた船舶事故は127隻。前年(2020年)同時期と比べ23隻増加した。このうち増加が著しいプレジャーボートは97隻(前年同時期71隻)と、全体の約76%を占める。

2021年1〜6月(上半期)、瀬戸内海・太平洋に面した近畿・四国での海難事故件数<※データ提供・第五管区海上保安本部>
2021年1〜6月(上半期)、瀬戸内海・太平洋に面した近畿・四国での海難事故件数<※データ提供・第五管区海上保安本部>

多くの船舶関係者は、プレジャーボートの事故増加の要因を▼「3密回避の屋外レジャー」として注目されたこと▼昨年(2020年)から新規ボート免許取得者が増加傾向にあることなど、利用者自体の増加に比例しているのではないかと分析している。

2019〜2021年・上半期の海難事故におけるプレジャーボート割合<※データ提供・第五管区海上保安本部>
2019〜2021年・上半期の海難事故におけるプレジャーボート割合<※データ提供・第五管区海上保安本部>

 新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出自粛要請もあり減少傾向だったとはいえ、夏の解放感や気のゆるみから8月〜9月にかけて事故が多発する恐れがあり、プレジャーボート運航者、遊泳者、釣り人、サーファーなどに向けて安全指導・啓発を実施する。

瀬戸内海・太平洋に面した近畿・四国の2021年1月〜6月(上半期)・海難事故発生状況<※データ提供・第五管区海上保安本部>
瀬戸内海・太平洋に面した近畿・四国の2021年1月〜6月(上半期)・海難事故発生状況<※データ提供・第五管区海上保安本部>

 また2021年も新型コロナウイルス対策の影響で開設されない海水浴場が多数あり、 第5管区海上保安本部管内の近畿・四国の海水浴場68か所のうち39か所が開設されないという(2020年は70か所中41か所)。

播磨灘・家島諸島「男鹿島(たんがしま)」<ひめじ家島オープンウォータースイミング大会 過去の画像・関係者提供>
播磨灘・家島諸島「男鹿島(たんがしま)」<ひめじ家島オープンウォータースイミング大会 過去の画像・関係者提供>

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■「海上での開放感、でも油断は禁物」

ヨット「サザンクロス」号<※画像提供・高見昌弘さん>
ヨット「サザンクロス」号<※画像提供・高見昌弘さん>

 帆船やヨットによるセイルトレーニングを中心に、地域交流イベントなどで精力的に活動する兵庫県伊丹市の会社員・高見昌弘さんも警鐘を鳴らす。「コロナ禍でオンラインでのコミュニケーションが習慣になりつつある中、マリンスポーツやマリンレジャーを楽しむ人たちにとって、海上での開放感の中で交わす何気ない会話が、とても大切なんだと改めて気付きました。ただ、油断は禁物。一見穏やかに見える海も急な雨風で突然、荒々しくなるのです。航海スケジュールはもちろん、船の状態確認、気象状況の事前チェックは必須。ライフジャケットを着用し、時間と気持ちにゆとりをもってマリンレジャーを楽しみたいです」と話した。