ラジオ局に「ラジオカー」と呼ばれるものがあるのを、ご存知ですか? 普段はラジオを陰で支えている技術スタッフが、ラジオ番組のなかで解説しています。

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 ラジオ番組の中では、ラジオカーといわれる移動中継車がいろいろな場所に出向き、現地からの中継で、生活に役立つ情報などを発信します。「それではここで、ラジオカーと中継がつながっています。レポーターの……」「は〜い」というようなやり取りの後、スタジオの放送ラインに、ラジオカーからの放送音声がのります。

神戸港で中継の準備を行うラジオカー

 神戸のラジオ局・ラジオ関西でも毎週のようにラジオカーによる中継が行われています。その放送技術を担うのが「技術センター」という部署。ラジオカー中継のときには、レポーターと一緒に、技術センターから技術スタッフが出動します。

 同局のラジオカーはトヨタ・エスティマをベース車両に、地上高8メートルまで伸びるアンテナポールを装備。アンテナポールを伸ばすと、464MHzのUHFの電波を使った無線中継を行うことができます。中継車両の中には、マイクや小型ミキサーなど、中継に必要な機材を積み込んでいます。ちなみに、ラジオ関西のラジオカーのナンバープレートには、放送局の周波数に合わせた「558」という番号が採用されています。

ラジオカー
ラジオカーに積み込まれた機材

 またラジオカーには、親しみやすさをこめて名前を付けている放送局が多いもの。ラジオ関西も2006年に現在の中継車を導入したとき、名称を公募。応募総数1150通の中から「ラジ関くん」という名称が選ばれています。

 ラジオカー中継では、事前に中継電波が飛ぶかのテストが行われます。当日は、中継場所を決めたり、放送局の技術マスター室と連絡を取り合ったりしながら、中継用機材を調整。そこは中継の時間に間に合うよう、時間との勝負です。ラジオは音だけで伝えるメディアであることから、現場の臨場感の演出やリポーターの表現力も試されます。

ラジオカー

 同局では2000年代のはじめにはヘリコプターからの生中継「SKY BIRD交通情報」を行っていたこともありました。最近では、携帯電話の4G回線を使用して、iPhoneのアプリを使った中継も増えてきました。コロナ禍で地域の祭りやマラソンなど、大規模イベントが中止となり、ラジオカーが出かける機会も減っていますが、いつでも地域に密着したリポート中継を行えるように、技術センターはラジオカーを整備し、スタンバイしています。皆さんの街でも、地元ラジオ局のラジオカーを見かけることがあるかもしれませんよ!

※ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』2021年10月10日放送回より