◆これ食べなまりりん!〈18〉

 いま、兵庫県・播磨の小京都「たつの」がイイ感じ! 理由はいくつかあるのですが、やはり近年めざましい飲食店の充実ぶりは外せません。そんなたつの市に2年前にオープンしたお店をご紹介します。

 たべなまりりんこと、ラジオパーソナリティーの田名部真理です。今回は、ラジオ関西『谷五郎の笑って暮らそう』でご一緒させていただいている、ラジオパーソナリティーの谷五郎さんとともに、お寿司と創作料理の店「SUSHI&VEGETABLE 心」(たつの市龍野町川原町)を訪問。店主の藤原良一さんがあったかい笑顔で迎えてくださいました。

 この日、いただいたのはランチメニュー。1500円・2000円・2500円の3種類のコースから、お寿司10貫に日替わりの小鉢や汁物がついた2500円コースをセレクト。

 ランチ・ディナーともに藤原さんが厳選した食材を使った「おまかせメニュー」とあって、毎回どんなお皿が出てくるのか楽しみなんです。この日の小鉢はリンゴ酢の炭酸割、枝豆の和え物、キノコとフジッリ(ショートパスタ)の和風あえ、茶わん蒸しに立派な栗の渋皮煮、べっぴん顔なしょうがの甘酢、汁物という目にも楽しい顔ぶれ。

 これだけでも感激なのに、手仕事が光るお寿司が10貫! しかも赤貝やサンマの炙り、エンガワ、蒸しアナゴなど全品クライマックス級!(注:まりりん個人的嗜好) 思わずゴローさんも「え、これ二人前?」と目がまんまるに(笑)。

 枝豆の小鉢や皮目を軽く炙った香ばしいサンマに舌鼓をうつゴローさんは、ふと藤原さんに「たつのはしょうゆが有名だからいいのを使ってるでしょ?」と鋭い質問。さすがです!

 たつのはしょうゆ(醤油)産業が盛んな町。その地元産のしょうゆをベースに、カツオと昆布でだしを取り、白だしと割ったこだわりの「自家製だし醤油」を使用。それだけではありません。シャリには酒粕を原料に熟成させた「赤酢」が使われており、砂糖を極限まで減らすことによってヘルシーでまろやかな江戸前寿司に仕上がっているのです。

 さらに特筆すべきは古民家を改装した落ち着いた雰囲気の店内。三軒お店が連なる町屋づくりで、入り口付近は軽くお酒と寿司がいただけるバーカウンターがあり、奥に進むと中庭をみながらゆったりくつろげるテーブル席が広がります。「築何年か分からないくらいの長屋だったんです。漆喰も柿渋も自分で塗りました。その工程が楽しかった!」(藤原さん)

 気候のいい時期にはテラスで音楽を聴きながら食すもよし、はす向かいにある一棟貸しの古民家ホテル「KURASU」への出張寿司も可能です。

 加西市出身の藤原さんは進学を機に上京、飲食関係の仕事をしていましたが、8年前に兵庫県宍粟市のNPO法人「ひまわりの家」の活動に興味を持ち、仕事を辞めて移住。飲食を軸にした障がい者支援活動をつづけていくうちに、西播磨エリアの縁が広がりました。

 2年前にこの物件の話や若者らのユニークな活動に出会い、それまで宍粟市で展開していた店舗をたつのに移すことに。今では人と人をつなぐ、たつのの「キーパーソン」の1人です。

 この秋からたつのには醤油蔵を改装した「ゐの劇場」がオープン。11月3日〜28日までアート・映像・能・演劇・パフォーミングなど多様な芸術に出会える「たつのアートシーン2021―情緒と彩りの芸術文化祭―」も開催されます。

「『たつの』は人が集まる場所。ただただ歩いているだけで毎日が楽しい!」と藤原さん。この秋は「心」づくしが味わえるまち、たつのを訪れてみては。