動物愛護の新しい拠点「こうべ動物共生センター」が、9日、神戸市北区の「しあわせの村」内にオープンした。保護動物の譲渡と教育・啓発を行うことを目的とした施設で、「人と動物、お互いの関係を大切にし、一緒に暮らしていこう」という思いを込め、動物関係の公的機関としては初めて「共生」と付けられた。

神戸市北区「しあわせの村」内にオープンした「こうべ動物共生センター」

 同センターでは、飼い主がやむを得ない理由で手放した犬や保護犬と新しい飼い主を引き合わせている。「神戸市わんにゃん譲渡制度」に基づいて、新たな飼い主を募集したうえ、譲り受け希望者に対して自宅の訪問調査や講習会などを行う。希望者は、センターで動物と面会することができる。(ただし予約制)

譲渡対象の動物と触れ合える部屋

 譲渡事業に加え、アニマルセラピーや「犬のしつけ方教室」、「パピー教室」、「老犬との暮らし方教室」など、動物たちと共生するためのさまざまなプログラムも実施している。子供たち向けプログラムでは、犬に接して心臓の音を聞いたり、クイズ形式で動物について学んだりする。さらに「獣医師体験」や、愛犬と一緒に参加できる「お散歩診断」、「ドッグダンス」、補助犬との触れ合い体験も用意されている。

体験プログラムなどが実施される部屋
子どもたちが動物について学べる本がそろう部屋

 相談窓口としての機能も持ち、専門家による「ペットのお困りごと」の相談や、獣医師による電話相談も行う。しつけや飼い方の他に、かみ癖などの深刻なケースに関しては、来所による相談も受け付けている。

 神戸市では、平成29年(2007年)4月、人と猫の共生社会の実現を目指す「神戸市人と猫との共生に関する条例」を日本で初めて施行した。さかのぼれば、平成7年(1995年)の阪神・淡路大震災の際にも、日本初の被災動物の譲渡をはじめとする動物救援事業を行うなど、動物愛護への取り組みの歴史がある。さらに、同センターが設立された「しあわせの村」は、30年以上前からノーマライゼーション(誰もが平等に役割を担う社会の実現)に取り組んでいる。すべての人が健康で文化的な活動に参加できるよう整備された複合施設で、SDGs視点を持ったソーシャルインクルージョン(社会的包摂)を見据えている。

 神戸市健康局環境衛生課の玉嵜一彦さんは、「神戸市では“人も動物もずっと一緒に幸せに暮らせるあたたかな神戸市”の実現を目指しており、その取り組みの中でセンターの設立が実現した。センターが、人も動物も含めいろいろな方に幸せを感じてもらえるような場所になれば」と話す。同センターでは、「人と動物の相互」の関係やその影響を科学的に解明し、市民にフィードバックするような事業も行う。

 こうべ動物共生センターの開館時間は午前10時〜午後5時。休館日は毎週火曜日と年末年始。問い合わせは、電話078-747-3061。

「こうべ動物共生センター」スタッフの方々(写真中央お2人)と神戸市健康局環境衛生課の玉嵜一彦さん(写真:右)、『サンデー神戸』レポーターのドキドキ☆純情ガールズ(左:ぽっぽ、右:のぞみ)

※ラジオ関西『サンデー神戸』2021年10月31日放送回より