今年9月に神戸国際展示場で行われた『こうべしんきん ビジネスメッセ 2021』。西日本最大級の産業総合展示会『国際フロンティア産業メッセ2021』と同時開催されたメッセに出展した団体の1つが、神戸市立工業高等専門学校(神戸市西区)だ。

 機械工学、電子工学、電気工学、応用化学、都市工学の5学科で構成されている神戸高専。ビル壁を登る万能グリッパーなどの、様々な研究・開発を発表している同校は、ビジネスメッセにも毎年出展している。今年は、ロボット系の開発の研究をしているグループが参加し、水中ロボットと、神戸市内で稼働する自立移動型ロボットをメインに展示した。

神戸市立工業高等専門学校の展示の様子

 そのうち、水中ロボットは、「メリケンパークなどにある岸壁をメンテナンスするダイバースタッフの代わりにならないか?」という考えからスタートしたという。「基本的にはプロペラで向きを変えたりするが、ただ水中ロボットの何が難しいかというと、自分自身の重さで浮いてしまってもダメですし、沈んでしまってもダメなので。そういった重さのバランス調整や、水の重さで流される際にどう対処していくかがすごく難しいところになる」と説明するのは、同メッセに参加した同校の准教授・酒井昌彦さん。

 一方、自律移動型ロボットについては、『公園の管理や水撒きなどをロボットでできないか?』という考えから神戸市と協力し、学生たちと開発。「今では自動運転の自動車などが出ているが、それと同じ技術を応用して作っている」(酒井さん)。

 製品化については「我々高専という学校だけでは難しい」と実情を述べた酒井さん。「“世の中に本当に役立つ”というものを目指してはいるが、あくまで我々が行うのはプロトタイプ(を担うこと)。『こんなことができるんじゃないか』『ロボットでこんなこともできるんじゃないか』という提案をしていく。実際に作ってみて実験して、そこに神戸市さんであったり、神戸市内の中小企業や大手メーカーも含めて協力していただいて、新しいロボットを作っていく。それで新しいビジネスを立ち上げていく、そのスタートの部分を我々が作っていく」と、神戸高専が地元で担うべき役割について述べていた。

神戸市立工業高等専門学校の准教授・酒井昌彦さん