神戸の新しい歴史スポット「兵庫県立兵庫津ミュージアム」(神戸市兵庫区)の「初代県庁館」が、11月3日、オープンした。幕末・明治期に設置された最初の兵庫県庁舎を復元。当時の歴史空間を体感できるだけでなく、バーチャル技術で初代県知事の伊藤博文を登場させるなど、新しい取り組みも行っている。

 兵庫津(ひょうごのつ)ミュージアムは、「初代県庁館」と展示施設「ひょうごはじまり館」の2館から成る。今回、初代県庁館が先駆けてオープン。千年以上続く港町の歴史を知り、地域に誇りを持ってもらいたいとの思いが込められた施設で、最初の兵庫県庁が置かれた“始まりの地”「兵庫津」の歴史や、兵庫県の成り立ち、兵庫五国(摂津、播磨、但馬、丹波、淡路)の魅力・多様性などを発信。開館初日には半日で2,000人以上が訪れて行列ができるなど、既に話題になっている。

初代の県庁を復元した「兵庫津ミュージアム・初代県庁館」

 最初の兵庫県庁は、1868年(慶応4年)5月23日、兵庫県誕生とともに設置された。初代県庁館は、最初の県庁舎となった「兵庫勤番所」(旧大坂町奉行所の管轄)を復元したもので、復元は、神戸市立中央図書館所蔵の「兵庫勤番所絵図」や、現存する江戸時代の図面などに基づいている。

再現された県庁舎

 同館の「県庁舎」エリアには、初代兵庫県知事・伊藤俊介(博文、※1)が執務を行った「知事執務室」が再現され、撮影スポットとなっている。江戸時代の庭園を模した「庭」では、反映を願った鶴と亀、不老不死の仙人が住むとされる蓬莱山を岩で表した「蓬莱庭園」も見どころの一つ。また、下級役人が生活した「旧同心屋敷」や、「吟味場(お白州)」、「仮牢」などもリアルに再現されている。施設内各所にはQR音声ガイドや解説パネル展示が設けられ、兵庫県の成り立ちなどの歴史を詳しく知ることができる。

知事執務室は撮影スポット!
江戸時代の庭園を再現し蓬莱の様式で組まれている。鶴や亀に見立てた石も。(写真中央)

 体験型の「バーチャルVISIT!」では、専用の眼鏡型端末「タイムゴーグル」を装着。兵庫県が始まった時代を訪れる。バーチャルツアーでは、同館の“主役”である伊藤俊介(博文)に加え、幕府最後の兵庫奉行・柴田剛中、兵庫津の豪商・北風正造らにも出会うことができる。1日5回で、所要時間20分。参加無料。ほかに、「兵庫大仏」などの豊富な地域資源を巡るツアー「兵庫津まちあるき」も開催している。

最先端体験技術「バーチャルVisit!」で初代兵庫県知事伊藤俊介(博文)たちと出会うバーチャルツアー①
最先端体験技術「バーチャルVisit!」で初代兵庫県知事伊藤俊介(博文)たちと出会うバーチャルツアー

 兵庫津ミュージアム整備室長の岸本健吾さんは「兵庫県の歴史や成り立ちを知ることで、兵庫への興味や愛着が湧き、そこから各地域を訪れる拠点になってほしい」と期待を込めた。

 来年以降、ミュージアムショップや「ひょうごはじまり館」もオープンする予定。

「兵庫津ミュージアム・初代県庁館」は入館無料。開館時間は、10月〜3月は午前9時〜午後5時、4月〜9月は午前9時〜午後6時。休館日は月曜(祝休日の場合は翌日)と年末年始(12月31日、1月1日)。問い合わせは、県兵庫津ミュージアム整備室、電話078-362-4004。

※1 兵庫県公式サイト内「歴代兵庫県知事」表記。ほかに「俊輔」など。

※ラジオ関西『サンデー神戸』2021年12月5日放送回より

写真左から、兵庫津ミュージアム整備室室長の岸本健吾さんと、『サンデー神戸』レポーターの加納永美子