事故物件住みます芸人、松原タニシによるラジオ番組『松原タニシの生きる』に、認知症の医療を専門とする「しおかぜメモリークリニック」の南辰也医師が出演。今回は「人との関わり方」にフォーカスした悩みについて、精神科医の立場から回答した。

 番組で最初に紹介されたのは「人は、なぜ人をいじめるのか」というリスナーからの疑問。「なぜ人をいじめるのか、なぜその行為を喜んでいる人がいるのか、精神医学的にどんな見方ができますか?」という質問に対して、南医師は「いろんな方面からのアプローチがありますが……」と前置きした上で「動物的本能が関係しているかもしれない」と見解を明かした。

「動物学的な側面から見れば“種の保存・個の保存”と呼ばれるものがあるんですが、人間という種を長く保存するための『種の保存』、そして個体として生きていくための『個の保存』というものですね。集団内でなじめない個体がいる、あるいは集団にとってプラスにならない個体がいる、そんなときはその個体を疎外することで生存確率を上げる、そんな動物的本能が関係しているかもしれません」(南医師)

 しかし、本能ならば仕方ないという訳ではなく「その本能的な部分を超越した『理性』で、お互いの個性を認めることができる。それが人間の素晴らしさだと思います。確かにいじめるという行為を喜ぶ人も一定数存在しますが、そういう人は“そういう人”として、自分は同じことをしない、というのが大事なのではないでしょうか」と話していた。

 次に紹介されたの悩みは「人の名前や顔を覚えることが苦手なせいで、人との関わりも避けがちになってしまいます。名前を覚えるコツがあれば教えてください」というもの。

 南医師は「僕も苦手なんです」とリスナーに同意しつつ「そこまで必死に(人の名前を)覚えようとはしていないんですけどね。ただ、名前が出てこなくて困る場面もあるので、そんなときは敬称を使ったりしています。僕の業界でいうと『先生』、芸人さんだと『兄さん』とか、敬称で呼んでやり過ごすのも手かもしれません」と、自らの経験も踏まえてコメント。

 さらに「逆に『名前を覚えることが苦手なんです』と、最初の自己紹介で言ってしまうのも手です」とアドバイスを送る南医師。「人の名前を覚えるコツっていうのは正直ないので、自分の立ち位置を変えるというか『名前を覚えなくていいキャラ』になってしまう、というのも1つの方法かもしれません」と締めくくり、番組パーソナリティーの松原タニシも「僕も(人の名前を)覚えるのが苦手なので、ラジオなんかでも公言しています!」と同意を示していた。

『松原タニシの生きる』放送の様子。写真左から松原タニシ、南辰也医師

◆南 辰也…医療法人社団澪標会 理事長/しおかぜメモリークリニック 診療部長。同院を2019年に開院。認知症診療を中心にからだとこころの総合的な治療をおこなっている。診療科は精神科、心療内科、内科、リハビリテーション科

※ラジオ関西『松原タニシの生きる』2022年4月22日放送回より