ラジオ番組『バズろぅ!』(ラジオ関西)“ラジオパーソライター”(ラジオパーソナリティー+ライター)の、わきたかしです!
先日、私がごはんの上にかつお節をかけて、しょうゆを少したらして食べていると、それを見た人が、「うまそうやなぁ〜『ねこまんま』」と言いました。えっ、それが「ねこまんま」?

私はごはんの上にかつお節をかけたものは「おかかごはん」と呼んでいました。そして「ねこまんま」はごはんにみそ汁をかけてサラサラと食べる、汁かけごはんだと思っていたのですが……。

「へーっ! 『ねこまんま』は、人によって呼び方(とらえ方)が違うのか?」と面白く思い、アンケートを取って調べてみることにしました。
まず、兵庫県の方を中心に聞き取り調査したところ、約70パーセントが、「ごはんにみそ汁をかけたものが『ねこまんま』だ」と答えました。あとの約20パーセントは、ごはんの上にかつお節をかけたものが「ねこまんま」。残りの数パーセントは「いぬまんま」と言うてまして……、「犬」!?
噂では関東になると「ねこまんま」の定義が関西と逆転するという話を聞いたので、関東近辺の方にも話を聞いてみました。すると確かに、関東では、ごはんにかつお節をかけたものを「ねこまんま」と呼んでいる人が大半でした。これはやはり食文化の違いによるものなのでしょうか……。

「ねこまんま」という名前はその昔、人間が食べた残りものを猫に与えたことから付いたと言われています。関西は昆布でだしを取ることが多いので、昆布だしが効いたみそ汁をかけたものが「ねこまんま」に。一方、関東では、かつお節でだしを取ることが多いので、そのだし殻をごはんに混ぜて猫に与えていたそうで、それが「ねこまんま」と言われていたようです。
関西、関東の食文化の違いが、そのまま猫が食べる「ねこまんま」の違いにもなったのでしょうね。
世界各地で猫はペットとして飼われていますが、本来、肉食の猫に炭水化物の米を与えるのは珍しいそうです。米文化の日本の「ねこまんま」をみると、やはり人間が食べるものの違いがペット食にもあらわれている、ということでしょうか……。
しかし、それは昔の話で、今やペットの猫の健康を考えて「ねこまんま」を与える人はほとんどいません。塩分のことや、ネギ、タマネギは猫に良くないので与えるべきではありませんし、普段の猫が食している大半は市販のキャットフードでしょう。
なので、私が日頃「ねこまんま」を食べていても、ウチの猫は全く見向きもしません(笑)。

むしろ「そんなの私(猫)、『ねこまんま』ニャンて(なんて)、食べニャイ(ない)♪ ニャー(なぁ)」って顔しながら、こっちを見てニャーす(ます)♪

(『バズろぅ!』ラジオパーソライター・わきたかし)