「日本人は塩分取り過ぎ」と長くいわれてきましたが、健康ブームもあって、減塩をうたう商品も多く売られるなど、気を付けている人も多いようです。食塩摂取量がこの40年で3分の2になったという国の調査もあります。しかし、詳しく数字を紐解くと、まだまだ塩分取り過ぎの状況は変わっていないのだそう。生活協同組合コープこうべ 商品検査センターの羽田野達也さんに詳しく聞きました。

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【羽田野達也さん(以下、羽田野さん)】 5月に、食生活と健康づくりについての学習会を開きました。(※1)日本の食生活全般にいえることですが、この日の学習会でも、食習慣調査を行ったところ、食塩の摂取量が多いという結果が多かったです。2021年9月に実施した食習慣調査(BDHQオンライン調査)では、ほとんどの方が、「多い」「やや多い」でした。(※BDHQ=「簡易型自記式食事歴法質問票」のこと、食事の摂取内容を自己申告する)

――日本人は、塩分の取りすぎが問題なんですよね。

【羽田野さん】 日本人の食塩の摂取量は世界でもトップクラスです。

 摂取そのものは減ってきています。国民健康・栄養調査では、1日あたりの「平均食塩摂取量」の推移は、1970年代に約14グラムだったものが、近年では10グラムにまで下がりました。

――この40年間でかなり減塩が進んだということですか?

【羽田野さん】 平均食塩摂取量だけみれば数値は下がったのですが、この間にライフスタイルが大きく変わったことから、食べる量、つまり「エネルギー摂取量」も約16%減っています。

 そのため、1000キロカロリーあたりの食塩摂取量は、1970年代から近年まで6グラム前後で推移しています。つまり、“塩分の濃さ”という点では減少は見られず、実際には減塩はあまり進んでいません。

 2019年の調査結果では、日本人の1日の食塩摂取量の平均は男性10.9グラム、女性9.3グラムでした。WHO(世界保健機関)からは、1日当たりの食塩摂取目標値は「5グラム未満」が推奨されていますが、日本では、まずは男性7.5グラム未満、女性6.5グラム未満を目指して取り組むよう勧められています。

 食塩は生活習慣病との関連が重要視されており、若い時からの減塩が重要といわれています。日頃の食習慣の積み重ねが大きな結果(血圧抑制)を生み出しますので、ぜひ減塩に取り組んでいただきたいと思います。

――ちなみに羽田野さんは、普段から気をつけていることはありますか。

【羽田野さん】 私自身の減塩の工夫として、加工食品は、栄養成分表示を見て、一日の塩分摂取量を考えながら商品を選んでいます。また、ラーメンを食べる時は、ここぞというとき以外にはスープを残すよう心がけています。

――栄養成分表示はぜひ活用したいですね。

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 コープこうべでの食習慣調査には、食事摂取のWebチェックシステム(日本生協連と東京大学が連携して構築)が活用されています。「BDHQ」をWeb化したもので、個人の直近1か月の食事メニューの内容を、約80の質問で問う形式となっています。そこで得た個々の健康・食習慣データに基づいて行う、食習慣改善に向けた個別アドバイスを「より有効活用できるような学習会にしました」(羽田野さん)とのことでした。

 減塩につながるものとして、調理の際の出汁や香辛料の活用も、日常の暮らしに取り入れていけそうです。意識的に、減塩に取り組んでいきたいですね。

参考資料:『佐々木敏の栄養データはこう読む!』佐々木敏(東京大学大学院教授)、女子栄養学出版部