塩野義製薬(本社・大阪市中央区)が開発する新型コロナウイルス対応の経口薬(軽症・中等症向けの飲み薬)について、厚生労働省は22日、薬事・食品衛生審議会の専門部会を開き、承認の可否を審議したが、「さらに慎重に議論を重ねる必要がある」として結論を持ち越した。7月に開催される予定の公開審議で改めて議論し、判断するという。

 塩野義が2022年2月に製造・販売承認を申請したコロナ対応経口薬の販売名は「ゾコーバ」。

 治療薬やワクチンの臨床試験(治験)の途中であっても「安全性が十分確認され、有効性(効果)を推定できるデータが集まれば」使用を認める「緊急承認」制度を新設する改正医薬品医療機器法(薬機法・5月13日に参議院本会議で可決・成立)によって、この「緊急承認」の適用を判断する初の審議として注目されていた。

 承認されれば、緊急承認適用・第1号となり、国内の軽症者向けの飲み薬としては米メルク社の「モルヌピラビル」、米ファイザー社の「パキロビッド」に続く3種類目で、国産としては初めてとなる。

 これまでの臨床試験(治験)で、体内のウイルス量を減少させる効果が確認されているが、新型コロナに特徴的な倦怠感や関節痛など12種類の症状の改善に関しては、投与していない人と比べて、明らかな効果が認められず、有効性を示すデータが不十分との意見が出た。 咳など呼吸器の症状に発熱を加えた5つの項目にに限定した解析では、投薬による改善が見られたという。安全性については、動物実験で胎児に奇形が生じるおそれが確認された。

 一方で「感染拡大第7波や新たな変異株が出現するおそれもあり、治療の選択肢を持つのは重要」だとして、緊急承認に肯定的な意見もあった。