塩野義製薬(大阪市中央区)は28日、開発中の新型コロナウイルスの経口薬(軽症や中等症の患者向けの飲み薬)「ゾコーバ錠」について、最終段階の臨床試験(治験)で効果を確認できたと発表した。

 新型コロナの12の症状のうち、 新型コロナの変異種・オミクロン株に特徴的な▼鼻水(鼻づまり)や、▼喉の痛み、▼せき、▼発熱、▼倦怠感といった5つの症状が消失する時間を、24時間短縮する効果が確認できたという。治験は2022年2月〜7月、12歳から70歳未満の患者1821人を対象に実施した。

 塩野義製薬はゾコーバ錠について、2022年5月に成立した改正医薬品医療機器法(薬機法)で創設した「緊急承認制度」の適用を目指している。厚生労働省は今後、これらのデータを分析して承認の可否を検討する。
 緊急承認は、感染症などによる健康被害の拡大を防ぐために急きょ必要な薬や医療機器が対象で、代替手段がないことが要件で、安全性が十分確認され、有効性(効果)を推定できるデータが集まれば使用を認めるというもの。

 しかし、7月20日に開かれた厚生労働省の専門家会議で、 アメリカ製の飲み薬2種類がすでに実用化されていることもあり、 「(当時)提出されたデータからは、有効性を推定できない」として承認が見送られ、継続審議となっている。