サッカー・J1のヴィッセル神戸は1日、2022明治安田生命J1リーグの第31節で、アビスパ福岡と、アウェイのベスト電器スタジアムで対戦する。キックオフ予定は午後2時。

 9月はホームゲームが続いたヴィッセル。サポーターの後押しも受けて、ホーム3連戦では2勝1分け、勝点7を獲得することができた。しかも9月18日のJ1第30節では、J1残留争いのライバルでもあるガンバ大阪に2-1と逆転勝利。けがから復帰したエースFW大迫勇也選手のPK弾、そして、アディショナルタイムでの劇的逆転ゴールで、『6ポイントマッチ』を制することができたのは大きな価値がある。勝点を31に伸ばし、順位も13位へ浮上。J2降格圏の17位G大阪(勝点29)との差は2で、いまだに油断できる状況ではないが、ホームで得た勢いを力に、残り5試合となったJ1でも勝ち星を積み重ね、1試合でも早くJ1残留を確実なものとしたいところだ。

 そのG大阪戦から中11日あけて、やってくるのが、今回もJ1残留争い直接対決。同じ勝点31でならぶ福岡との一戦だ。G大阪戦と同じく、勝てばライバルに差をつけることができる『6ポイントマッチ』であり、絶対に落とせない試合でもある。ここまで残留争いのライバルとの対戦では、後半戦において、京都サンガF.C.(現在16位、勝点30)に0-2で敗れた以外は、北海道コンサドーレ札幌(11位、勝点35)に2-0、清水エスパルス(12位、勝点32)に2-1、G大阪に2-1、ジュビロ磐田(18位、勝点24)に1-0と、いずれも勝利してきたヴィッセル。福岡にも勝って、自力でJ1残留を引き寄せたい。

 しかし、今シーズン、智将・長谷部茂利監督が率いる福岡との3度の対戦では1分け2敗と勝利がない。ホーム開幕戦となったJ1第2節(2月26日)ではスコアレスドロー(0-0)。大迫選手と武藤嘉紀選手の2トップ、アンドレス・イニエスタ選手も先発出場したなか、最後までゴールが遠かった。また、JリーグYBCルヴァンカップのベスト8では、ホーム(8月3日)で1-2、アウェイ(8月10日)で0-1といずれも敗れている。ルヴァン杯のときは真夏の過密日程の最中ということもあり、リーグ戦とはメンバーを変えて挑んでいたヴィッセルだが、当時、コロナ禍に見舞われた福岡に苦戦。FWジョン・マリ選手、FWルキアン選手、FWフアンマ・デルガド選手ら屈強な外国籍選手を抑えきることができず。カウンターなど、少ないチャンスをいかされ、苦杯をなめている。

 今回、ルヴァン杯のときとは両者ともにメンバーは変わってくることが予想されるが、ヴィッセルとしては、相手のストロングポイントである外国籍選手の個の能力をいかに抑え込むかは、試合のポイントの1つとなるだろう。守備の要の1人、DFマテウス・トゥーレル選手がG大阪戦で負傷したのは大変手痛いが、今シーズンの福岡戦で初出場が予想されるDF菊池流帆選手が、持ち前のガッツあふれる守備でディフェンスラインをリードできるか、大いに期待がかかる。ゴール前での攻守両面での菊池選手の競り合いシーンも見どころだ。

 また、ヴィッセルが今シーズン、常々課題としていたのは、中断明けの試合の入り方。開幕戦を含めて、ブレイクが長かった後の試合や、久々のリーグ戦というところでは、ことごとく黒星を喫してきた。吉田孝行監督も、9月25日の公開練習後の囲み取材で、連勝してチームの雰囲気がよくなったのではと問われた際に、「よくなって、いつもオフを挟んだ後というのが緩く入ってしまうところがある」とコメント。「自分たちは1試合で順位が変わる状況なんだというのを、もう1回自覚しなきゃいけない。これまでは自分たちは追いかける身だったが、追いかける身というのは必死だと思うし、その立場をわかってるからこそ、気を抜いてはいけない。この状況を変えていくのは、もう自分たちなので」と、福岡戦も、これまでと変わらず一戦必勝の思いで臨む構えだ。

 それでも、ヴィッセルには心強い存在が前節から帰ってきた。それは、クリムゾンレッドの10番を背負う、FW大迫選手だ。ルヴァン杯の福岡戦でもゴールを決めているストライカーは、今シーズン勝負どころでの得点が際立つ。今回の試合では先発でいくのか、それとも、スーパーサブとして登場するのか、その起用法にも注目だ。最近の2試合ではMF小林祐希選手を攻撃的なポジションで起用し、それがチームでうまく機能していただけに、吉田監督がどんな布陣を敷くのかも、この一戦では見逃せない。

 ヴィッセルは9月24日、25日と27日の3日間、公開練習を実施し、ファン・サポーターの前で精力的に汗を流した。特に25日は、ノエビアスタジアム神戸で約2年9か月ぶりとなる公開練習を行い、試合日でないにもかかわらず、早朝から2585人の観客が来場。サポーターの声出し応援も可能となったなかで、まるでホームゲームのような雰囲気が生まれ、有意義な一日となった。「ファンの方への公開練習というのがなかなかできていなかったですし、ましてやチームは難しい状況のなか、こうやってできるというのは我々にとってはすごい力になる。(ヴィッセルに)関わる人みんなが一致団結してやっていければなと思う」と、公開練習後に感慨深げに述べたのは、吉田監督。サポーターとの一体感を得たなかで、チームはラストスパートをかけるべく、勝利を目指して、いざ博多の地に乗り込む。