食欲の秋。お米やキノコ、果物などおいしい食べ物が実る季節になりました。しかし、同じように実りのある植物でも「毒」があって食べられない植物もたくさんあります。国の食中毒統計によれば、キノコによる食中毒は毎年後を絶ちません。そんな「植物の自然毒」について、コープこうべ商品検査センターの羽田野達也さんに聞きました。

――野生には食べられるキノコだけでなく、毒をもっているキノコもありますよね。

【羽田野達也さん(以下、羽田野さん)】毒キノコは、一見すると食用と似ているものも多く、誤ってとってしまい、家で調理して食中毒につながることがあります。厚生労働省のホームページには、「食用のキノコだと確実に判断できない場合は、絶対に採らない・食べない・人にあげない」という注意喚起がされており、食用と間違えられやすい毒キノコの種類も挙げられています。

毒キノコを誤って食べてしまった場合は、おう吐や下痢、腹痛などの症状が起こり、死に至ることもあります。

――キノコ狩りをする際は、まず食べられるキノコであるかを入念に確認するということが大切ということなのですね。

【羽田野さん】キノコ以外にも誤って食べると食中毒になってしまう植物があります。植物による食中毒だと、キノコ以外にどのようなものを思い浮かべますか?

――「じゃがいも」がパッと出てきました。たしか、「ソラニン」という毒がじゃがいもの芽や芽の付け根の緑色の部分にあるので、「芽はしっかりと取りなさい」と習った記憶がありますね。

【羽田野さん】「ソラニン」は有毒物質で、とり過ぎると腹痛や吐き気といった症状が出ます。じゃがいものような身近な食べ物でも、調理方法や食べ方を知らないと、食中毒を起こす典型的な例かと思います。

――ほかにも、調理方法や食べ方を間違えると食中毒を起こす例はあるのですか?

【羽田野さん】白インゲン豆で、加熱調理が不十分だったため食中毒が起こっています。2006年にテレビで紹介された方法で調理した白インゲン豆を食べた人が、おう吐や下痢になりました。原因は、白インゲン豆に含まれている「レクチン」の毒性が、加熱不足により失われなかったためでした。白インゲン豆は、柔らかくなるまで充分な加熱調理が必要です。

――身近な食べ物でも調理方法や食べ方に注意しないといけないですね。そういえば、ニラとスイセンを間違って食べたというニュースがときどきありますよね。

【羽田野さん】畑に自生していたスイセンをニラと勘違いして食べた例や、河川敷でニラだと思い込んでとってきて、スイセンを食べてしまった例などがあります。スイセンには、「アルカロイド毒素」という有害物質があって、おう吐、下痢などの食中毒症状を起こす場合があります。

このような自然毒による食中毒の事件数は、全食中毒件数の8パーセントほどですが、死亡者数は、食中毒全体の半数近くを占めています。自然界には、毒のある植物もあるので注意が必要です。

――「天然」「自然」だからといって、「安全」というわけではないですね。冒頭の話題でもありましたが、「食べても大丈夫だと”確実に”判断できないときは、採らない、食べない、人にあげない」が大切ですね。