これからの季節は、新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザやノロウイルスによる食中毒などからの感染症予防がとても大切になります。そこで、新型コロナウイルス感染症の予防効果もある「正しい手洗い」について、コープこうべ商品検査センターの羽田野達也さんに聞きました。

――インフルエンザの感染症予防と言えば、手洗いはパッと想像できますが、ノロウイルスによる食中毒と聞くと、「〇〇を食べたら症状が出た」というように食べ物が原因のイメージが強いですね。

【羽田野達也さん(以下、羽田野さん)】ノロウイルス食中毒は、飲食店を原因とした報告が多いのでそう感じますが、人の腸で増えていくウイルスのため、実際には人から人、つまりトイレの後、手に付着したウイルスを介して広まることがあります。

――だからこそ手洗いによる予防が必要で、正しい手順でより効果的な手洗いをすることが大切ですよね。

【羽田野さん】今回は水で手を洗うところから、アルコールで消毒するまでの正しい手洗いの手順を紹介しましょう。

まずは、手を水でさっと流します。手の表面についた汚れを落とすだけでなく、水気があると石けんや洗浄剤の泡立ちが良くなります。泡立ちは、石けんで洗浄できているかの目安になりますので、よく泡立てるためにも、まずは、水で手を流していただきたいと思います。

次に、洗浄剤を手にとります。やはり石けんを使うと手に残るウイルスの量は大きく減ります。ポンプタイプの液体石けんはワンプッシュが目安ですが、手に汚れがあるときは泡立ちが悪いので、必要に応じて足しましょう。

ここから30秒を目安に手洗いを行います。まずは、手のひら・指の腹面をよく洗います。手には細かなシワがありますので、シワに残る微生物をかきだすイメージで、やや力を入れてこすり合わせます。

今度は裏返して、手の甲・指の背を洗います。このときもシワの部分をイメージして、こすり合わせることが大切です。小指の側面は、すり合わせただけでは洗えない部分が出てきますので、意識して洗うのも大切ですね。

――利き手があるということは、洗いにくい方の手がありますね。

【羽田野さん】利き手ではない方は「洗いにくい」ということをあらかじめ知っておくことで意識できると思います。

さて、ここからがポイントで、指の間・付け根を洗います。ここは洗い残しが残りやすい部分です。

――指の間や付け根まで、なかなか意識しないと洗えないですよね。

【羽田野さん】洗いにくい部分ではあるので、特に親指はハンドルを握るようにしっかりと洗うことが大切ですね。そのとき、親指の根元の膨らみも忘れずに洗います。この膨らみの部分は、トイレでお尻を拭くときにも(トイレットペーパーがない部分なので)汚れがつきやすいため、意識して洗います。

――手がきれいになってきたので、次は指先や爪ですね。

【羽田野さん】指先・爪も洗います。まずは、指先で手のひらのシワの汚れを落とすイメージでこすります。このとき、爪が伸びていると汚れが残りますので、短くしておいたほうが洗いやすいと思います。また、爪の根元の甘皮は、意識しておかないと洗い残しが多い部分です。

いよいよ最後は手首です。どうしても手首は、時計やアクセサリーがあるため洗いにくいですが、しっかりと回しながら洗います。

――そして水で流すわけですね。

【羽田野さん】手をしっかりと洗うということは、泡立てた石けんに汚れや微生物がたくさんいるということになります。洗った後はしっかりと水で流す。この「すすぎ」が充分でないと、菌が残ってしまいますので、しっかりと流しましょう。これからの時期は水が冷たく辛いので、温水を使うことも1つの方法です。

そして、流し終わると水気をしっかりと拭くことが重要です。手に残った微生物をさらに減らすことができますが、もうひとつ重要なのは、この後に行うアルコール消毒です。

微生物の多くはアルコールに弱く、特に手洗い後に使うと効果的です。それでも、手に水気が残っていると、せっかくの消毒効果が薄れてしまいます。しっかりと乾かした状態で、アルコール消毒しましょう。

――家庭にアルコール消毒薬がないという場合はどうすれば良いでしょうか?

【羽田野さん】その場合は一度石けんを使って手を洗い、すすいだ後に、もう一度石けんをつけるところから始める「2回洗い」を推奨しています。