「香港茶楼」は、各線元町駅から徒歩2分の場所に位置する飲茶専門店。JR元町駅の東改札口を出て横断歩道を渡り、そのままサンセット通りを東へ。2つ目の角を左に曲がると、右手に緑の扉が目印の香港茶楼があります。

 1978年に営業を開始し、今年で46年目を迎える香港茶楼。テーブル席が80席ある広々とした店内では、香港から輸入した丸テーブルのほか、照明には香港ランタンが使用されており、異国情緒あふれる雰囲気が楽しめます。香港旅行気分を味わえるとあって、老若男女から人気のお店です。

 ランチメニューは、全部で6種類。「黒酢スブタランチ」(900円)、「唐揚げランチ」(900円)などの定番メニューはもちろん、「ヤキソバランチセット(ライス、スープ、デザート付き)」(900円)、「冷麺セット(お粥、デザート付き)」(900円)など豊富な品ぞろえです。

 今回は、人気メニュー「麻婆豆腐ランチセット(春巻き、ライス、デザート付き)」(900円)をいただきました。

 麻婆豆腐は鉄の小鍋でグツグツと煮えている状態で提供されるため、アツアツのまま味わうことができます。しっかりとした食感が楽しめる木綿豆腐は、ひき肉と自家製味噌を合わせたタレとの相性抜群。隠し味の花山椒がうまみをより引き立てており、ご飯が止まらなくなる1品です。

 セットの春巻きは“広東式”なのだそう。パリパリの皮の中に、エビ、タケノコ、椎茸、鶏肉が入っている具沢山な春巻きで、豆板醤がアクセントになっています。

 ほかに、ライス、コーンスープ、ザーサイ、デザートのダージリンタピオカも付いてくる、大満足のランチセットでした。

 人気の点心9種と、主菜に焼飯または香港ヤキソバのどちらか1品が選べる「飲茶ミニセット」(1700円)もいただきました。

 点心9種は、香港出身のシェフが作るこだわりの品ばかり。「海老餃子」「水晶餃子」「豚肉焼売」「牛肉焼売」「海老の腸粉(ちょうふん)」「広東風春巻き」「大根もち」「鳥とエビの五目もち」「ごま団子」など、多種多彩なラインナップに見ているだけで心がおどります。

 餃子と焼売の皮は、すべてイチから手作りしているのだそう。1つずつ切って伸ばし、餡(あん)を包んで作っているといいます。なかでも、「水晶餃子」の皮には抹茶が練り込まれており、ほんのり甘い抹茶の香りが口いっぱいに広がります。

「海老の腸粉」は、米粉で作った海老の蒸し春巻き。とろとろ&モチモチ食感で、パクチー入りの自家製ダレがクセになります。「大根もち」は、ペースト状の大根に干しエビと金華ハムを練り込んだ料理。香港ではお正月に食べる伝統料理のひとつで、縁起のいい食べ物として知られているのだとか。海老のうまみに加え、ほんのりとごま油の風味が感じられ、スナック感覚で食べられました。

 営業部長の簡智成さんは「製法、食材ともにこだわりの詰まった点心を、たくさんの人にお手頃価格で食べてもらいたい」と語ります。海外旅行気分を味わいながら本格香港料理が楽しめる、神戸元町の「香港茶楼」でした。

※メニュー、価格などの情報は取材当時のものです。

(取材・文=中村葵、細田真帆)

※ラジオ関西『笑福亭鉄瓶のまんてんラジオ』、「あおいとゆうりの㎎2(もぐもぐ)ダイアリー」2023年9月18日放送回より