大阪・関西万博(2025年4月13日〜10月13日 184日間)で会場のシンボルとして建設されている環状のデッキ・大屋根(リング)について、閉幕後に現地で保存するか、移設する案が浮上している。

 当初は再利用(リユース・リサイクル)のために解体し、そのパーツを譲渡するなどの案を示していた。

 大屋根には、環境への配慮や鉄骨使用時のコストとの比較などを鑑みて、日本国内のスギやヒノキ、ヨーロッパのアカマツを用いる。

 完成時のサイズは、建築面積(水平での投影面積)約6万平方メートル(甲子園球場の約1.5個分)、カーブが傾斜する「バンク」形状となっており、高さは内側12メートル・外側20メートル、直径が約650メートル、デッキの幅は約30メートル、1周すると約2キロメートルとなり、一般の建物なら3〜5階建ての建造物だ。

 リングの建設は、会場の3つの工区で、それぞれ大林組、清水建設、竹中工務店がそれぞれ共同企業体(JV)を構成して担当する。木造構造部分の35%の着工が進み、すべてのリングがつながるのは2024年秋ごろの見込み。

 「多様でありながら、ひとつ」という大阪・関西万博の理念を表現し、各施設に向かうための通路となり、 屋上には「リングスカイウォーク」と名付けられた展望できる歩道が設けられる。完成すれば、木造建築物としては世界最大級となる。
 「日よけ」としての機能もある。350億円とされる建設費に、国会で“世界一高い日傘”などと批判され、与野党の議論の的になっている。

 11月14日、大阪市内で開かれた大阪・関西万博の「国際参加者会議」で、大屋根(リング)の設計者で会場デザインプロデューサーを務める建築家・藤本壮介氏は海外各国の代表者に向け、「大屋根(リング)は、 会場全体をつなぎ、世界が団結するイメージしている。ダイバーシティ(多様性)とユニティ(結束)の結晶である」と説明した。

 そして、各国担当者から閉幕後の活用についての質問に、藤本氏は現在重要な課題として議論を進めていると話し、「現地での保存」や、「モジュール(交換可能な一部分)として移設」も検討していることを明かした。

 自見英子(はなこ)万博担当相は11月10日の記者会見で、大屋根について「(予算縮小を視野に入れた)再設計は考えていない」と述べている。