大阪・関西万博で独自のパビリオンを出展するルクセンブルクのメインテーマは、「”DOKI DOKI (ドキドキ)”ときめくルクセンブルク」。“DOKI DOKI”は、興奮や喜び、熱狂的で楽しさにあふれた⿎動を表現している。

 25日、会場の人工島・夢洲(ゆめしま 大阪市此花区)で、本格的な日本の神事にのっとり地鎮祭が行われた。海外パビリオン出展国ではイタリア(2023年12月19日に起工式)、シンガポール(2024年1月10日着工)に続く。

 ルクセンブルクのグザヴィエ・ベッテル副首相は、その後大阪市内で開かれたレセプションで「非常に厳かな、日本の古式ゆかしい“Shinto(神道)”スタイルでの儀式は初めて。日本と精神的にひとつになった」と興奮気味に語った。
 そして、「大阪・関西万博は、(物価高騰による建設費の増加など)さまざまな批判を浴び、困難に直面しているが、強く推進してほしい」と激励した。

 ゲストに招かれた日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長はこれを受け、「さまざまな批判を受ける中、『タフネス』、強くあらねばならない。今年の干支は“辰(龍)”。繁栄の象徴であり、成功・成長の種が芽吹くといわれる。ルクセンブルクは、世界で唯⼀の『大公国(※)』。長い歴史の中で、多様性と個人の向上の精神のもとに発展した。いち早く(2022年6月)パビリオンのデザインを発表するなど、タイプAパビリオンの先進例でもある」と述べた。

 ルクセンブルクは2023年9月に図面などを含む基本計画書を、10月に仮設建築物許可申請書をそれぞれ提出している。パビリオンは2024年2月に着工、同年11月〜12月ごろに完成する見込み。

■設計デザイナーの思い

 パビリオンの設計を担当するアルノー・デマイヤー氏はラジオ関西の単独インタビューに対し、「コスト高騰は織り込み済み。設計段階から環境とコスト面を配慮している。循環経済をコンセプトに、材料もリユース(再利用)できるものを使用。日本で調達できる環境に優しい、軽量な資材は何か、日本でのパートナーとなる建設業者などとともに模索した」と構想を語った。

 アルノー氏はまた、「日本の建設業者が用いる一般的素材を使用しつつ、個性的なパビリオンに仕上げたい」と話す。土台はコンクリートブロックを用いる。
 ファサード(外観)のパネルもコンクリート使用だが、接合部は解体して再利用できるようにする。
 そして、パビリオンの屋根は1千平方メートルもある。来館者を雨や熱から守るため、独自で開発した膜屋根を使う構造とした。仮に木材を使うと重さが20〜30倍にもなるという。
 さらに、接合部は接着剤を使わず、スクリューやストラップを使い、解体しやすくした。

 2027年、日本とルクセンブルクは外交関係樹立から100年を迎える。アルノー氏は、「ルクセンブルクは、とても小さい国。しかし人、モノの多様性に富んでいる。人々はオープンで前向き、革新性や想像性も強い。素晴らしい文化を持ち、日本との共通点も多く、アジア各国のなかで最も近い国と認識している。大阪・関西万博を通じて、さらに緊密な関係を築きたい」と抱負を語った。

【ルクセンブルク】 世界で唯⼀の「⼤公国(※)」で、ベルギー、ドイツ、フランスに囲まれている。⾯積は約2586平方キロメートル(日本の神奈川県とほぼ同じ)、⼈⼝は約65万7千人(2023年6月現在、IMFのデータによる)。
 国⺠⼀⼈当たりの GDPは世界⼀位と、豊かな国として知られる。また、⾦融や ICTなどの基幹産業に加え、最近では宇宙やバイオなどの分野でも発展を遂げている。
 ⾸都ルクセンブルク市の古い町並みと要塞群はユネスコ世界遺産に登録された。このほか美⾷の都として、国⺠⼀⼈当たりのミシュランの星の数は世界⼀とされる。

※大公国〜君主制国家の一つ。王が君主の「王国」ではなく、大公や公爵が治める国家