本来食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」の削減に向け、群馬県は本年度、歓談や飲酒に熱中するあまり料理を残しがちな宴会で、料理を食べきる「30・10(さんまるいちまる)運動」の啓発に力を入れる。今月中にも、賛同する県内の飲食店や宿泊施設を協力店として登録し、県ホームページ(HP)で紹介。群馬県の2015年度の1人1日当たりごみ排出量は1031グラムと都道府県別で3番目に多く、県民に意識改革を呼び掛けて排出削減につなげる。◎長野・松本で発祥 賛同する店を登録 啓発に力を入れるのは、農林水産省の食品ロスに関する15年度調査で、宴会料理の19%が食べ残されている全国実態が分かったからだ。この量は、食堂やレストランの昼食で食べ残される量の8倍に相当する。調査結果を踏まえ、県は県内で排出されるごみの約3割を占める生ごみと、食品ロスの削減に重点的に取り組むこととした。 推進に向け、県は賛同する飲食店や宿泊施設、小売店を「食べきり協力店」として登録する制度をスタートする。(1)小盛りやハーフサイズのメニューがある(2)来店者の要望で量を調整—などの要件を一つ以上満たせば登録できる。 登録店にはポスターやステッカーを配るほか、取り組み内容などを県HPで公開して、イメージアップにつなげてもらう。運動の定着を目指す県廃棄物・リサイクル課は「多くの県民に運動を知ってもらい、意識改革を呼び掛けたい」としている。 食品ロスの削減を目指す自治体の取り組みは、県内では前橋、高崎両市が始めている。 前橋市は14年から、「食べきり運動」の協力店を募集。協力店となっている焼き肉店「銀華亭本店」(同市紅雲町)は以前から、客が食べきれなかった料理を自宅に持ち帰ってもらうよう働き掛けてきた。同店は「残せばごみになってしまうが、『お土産にどうぞ』と声を掛ければ喜ぶ人が多い」と指摘。全県的な取り組みの拡大に期待を寄せている。 《30・10運動》 乾杯後30分は席を立たずに料理を楽しみ、終了前10分は残った料理を楽しむことで、食べ残しをなくす運動。2011年に長野県松本市で始まり、全国に広がった。本年度から環境省も国民運動として啓発を強化している。