SNS上で、たくさんの投稿があるキャラ弁。その中でも、二度見するレベルのキャラ弁がこちら。

 鬼滅の刃に呪術廻戦にドラえもんにと、大人も子供も大喜びの人気キャラクターが超リアルに再現されています。これを作っている人は何者?ということで、制作者であるりゆさんにお話を聞いてみました。

◆使っている食材はいたってシンプル
 お弁当のキャラクターは、何で作っているんですか?

「キャラクターはすべて、おにぎりかはんぺんかのどちらかの材料で作っています。スヌーピーやキティーちゃんなどの、シンプルな絵のキャラクターはおにぎりで作って、鬼滅や呪術廻戦などの複雑なものは、はんぺんで作っています。キャラクターの土台を作った後に、海苔でパーツを作っています」(コメントはりゆさん、以下同)

 普通のはんぺんで、呪術廻戦の五条悟も作っているんですか?

「全部ごくごく普通の、白いはんぺんを使って作っています。肌色は全て、マヨネーズとケチャップを混ぜた、いわゆるオーロラソースをハンペンに塗って再現しています。ハンペンは、オーロラソースを程よく吸収してくれてよれないんです。肌の濃淡や陰影は、ケチャップの割合で調整しています」

 ケチャップとマヨネーズだけで! すごすぎます。

「キャラクターの顔は、基本的にはんぺん・マヨネーズ・ケチャップ・海苔で作っています。目の中の青色など、オーロラソースで再現できない色は、食用色素をお湯で溶かしたりして、マヨネーズに混ぜています」

 顔のパーツは、全て海苔で作っているんですね。

「黒い部分を再現する食材や方法はいろいろあると思いますが、私の場合は海苔で作ったほうが、確実にキレイにできるのでそうしています。黒よりも薄い色が必要なときは、昆布を使っています」

 材料がシンプルで驚きました。

「はんぺん・ケチャップ・マヨネーズ・海苔があれば、大抵のキャラは再現できると思います。顔が完成したら、他の食材を使って立体感を出すようにしています。ちなみに、呪術廻戦の五条先生の髪は大根で作っています。大根や卵焼き、お漬物は発色がいいので、色味を出したい時に使えます」

◆幼稚園に行きたくないと泣く息子のために作り始めた
 りゆさんのお弁当は、何用に作っているのでしょうか。

「お弁当は、幼稚園に通う娘のために作っています」

 娘さんが食べるものだったんですね。

「はい。今は末っ子の娘のために作っています。もともと、キャラ弁は、長男が幼稚園に通うのをきっかけに作り始めて、かれこれ7年くらい作り続けています」

 幼稚園に、このお弁当を持っていっているというのが驚きです。

「長男が幼稚園に通い始めた頃、幼稚園に行きたくないとよく泣いていたので、せめてお昼ご飯のときは元気になって欲しいな、とキャラ弁を作り始めたんです。息子はキャラ弁をすごく喜んでくれて、『明日は、トッキュウジャーのお弁当で幼稚園に行く』と楽しみにしてくれるようになりました」

 この弁当がカバンから出てきたら、お子さんもお友達も先生もざわつきますね。

「先生に『毎日楽しみにしています』とおしゃっていただいたことがあります。おかげで、息子も娘も毎日残さずお弁当を食べてきてくれます」

 かなり立体的なお弁当なのですが、幼稚園児が持っていくと潰れたりしないですか?

「お弁当を作った後は蓋をしないで、お弁当箱をラップで一周巻いて固定しています。その後に、お弁当より少し大きめのタッパーに入れるんです。そうすることで、ラップがきっちり形をキープしてくれて型崩れもしません」

◆最初は4時間かけて作っていた
 どれくらいの時間をかけてお弁当を作っていますか?

「7年くらいキャラ弁を作っているので、今では時間をかけずになんでも作れるようになりました。普通のキャラ弁を作るのとそんなに変わらないと思います。長男の時は、キャラ弁初心者だったので、海苔を切る作業もうまくできませんでした。何をするにも、ちんぷんかんぷんな状態だったので、お弁当作りに4時間くらいかけていました」

 すごい根性ですね。

「栄養とおいしさも考えないといけないので、大変でした。今思うと『4時間もかけて、バカみたいだったなぁ』と思いますが、初めての子育てで、泣く息子のためにと必死だったんだと思います」

 お子さんが、毎日お弁当を完食してくれるのも嬉しいですね。

「ハンペンはそのまま食べても優しい味ですし、オーロラソースをのせても軽い食感で、我が家の子供たちは好きみたいです。キャラ以外の部分は普通のおかずで作っているので、子供たちの好きなものを入れています」

 キャラもすごいですが、おかずもとてもおいしそうなお弁当です。

「ありがとうございます。作り続けていくうちに、子供の好きな食材やおかずを使って、キャラ弁を作れるようになりました。海苔ってどうやって切るの?というレベルから、家にある材料を使って、娘のリクエストに簡単に答えられるようになったので、7年間続けていれば何事も形になるんだなと実感しています」

 キャラメインのお弁当に見えつつも、おかずもとってもおいしそうなりゆさんのお弁当。幼稚園に行きたくないと泣く息子さんのために作り始めたお弁当が、7年の時を経て作品レベルのお弁当になったことに、親御さんの深い愛情も感じます。

【りゆ】
3児ののママ。思い描いたイメージを『キャラ弁』というカタチにすることで、楽しみながらお弁当を制作。インスタグラム:@you.stance_ing

<取材・文/瀧戸詠未>
【瀧戸詠未】ライター/編集者。趣味は食べ歩き・飲み歩き。