その温め方、やってしまいがち。

 スーパーやパン屋さんなどで購入した「パン(食事パン・総菜パンなど)」が余ってしまう時ってありますよね。

 またコロナ禍の現在、旅行や遠出がしにくいことが影響して、名店のパンを購入できる通販サイトが増えているようです。いずれにせよ、これらのパンについてまわるのが、「冷凍」という手段。自分でパンを冷凍をするか、冷凍されたものが届くことが多いように思います。

◆パンのプロに聞いてみた
 みなさんは、「冷凍パン」をおいしくリベイクできていますか? パサパサのかたいパンになってしまったり、具材とパン生地が均等に温まらなかったりと、苦戦している人も少なくないはず。そこで今回は、プロが教えるリベイクのコツをご紹介します。

 パンのモール型ECサイト「ぱん結び」を運営するカネカ食品のグループ会社である、カネカのテクニカルアドバイザーを務める山﨑隆二シェフに、家庭で誰にでもできる冷凍パンの美味しい解凍方法について教えてもらいました。

 山﨑シェフは、パンのワールドカップといわれている“クープ・デュ・モンド”に日本代表キャプテンとして出場し、日本代表初優勝を成し遂げた経験もある方です。

◆理想的なパンの解凍方法とは?
 まずはじめに、冷凍パンをベストな状態で解凍する方法を聞いたところ、基本的には“自然解凍”がベスト。解凍する気温やパンの大きさによって変わりますが、正確には夏は3〜4時間、冬は4〜5時間程度が解凍の目安です。

 これを厳密に守るのは難しいので、寝る前に冷凍庫から出しておくと、朝食にちょうど良い具合になります。袋に入れずに置いておくと乾燥してしまうので、冷凍時の袋のまま自然解凍するのがオススメです。

 総菜パンやハードパンなどは焼きたてを再現すべく、お好みの焼き加減まで、トースター(500W前後/180度)で温めましょう。その際、焦げそうな場合はアルミホイルに包むのも有効だそうです。

 しかし、「この冷凍パンを今すぐ食べたい!」と思う時ってありますよね。そんなときは、500Wのレンジで30秒〜1分温めて、1000Wのトースターで1〜2分焼くのが良いそうです。

 このレンジからトースターまでの加熱の仕方に、やってしまいがちなNG解凍方法が潜んでいます。ここでは3つの失敗例を紹介例とともにご紹介していきたいと思います。

◆やってしまいがちな「NGな温め方」3例とは?
 わかりやすいように、パンの種類ごとに多くの人がやってしまいがちな失敗例と正解を4ケース紹介していただきました。

1.「密封状態」でレンジで温める

 最初の工程である「レンジ」で失敗してしまうケースがもっとも多いそうです。それは、冷凍をしていた密封状態のままレンジ加熱をしてしまうこと。この状況だと、パンの水分が蒸発して袋の中に閉じ込められ、パンの外皮に水分が移ることで、食感が失われてしまいます。

 袋に入れたまま、封を広めに開けた状態でレンジ加熱し、冷たさがなくなればOK。大きいパンの場合はここでカットして、トースターの工程に移りましょう。なお、食パンと菓子パンはレンジNG。食パンはそのままトースターへ、菓子パンは自然解凍することを覚えておきましょう。

2.クロワッサンを、アルミホイルなしでトースターで温める

 クロワッサンなどデニッシュ系のパンの特徴は生地に砂糖を多く使用していることです。砂糖が多いため、トースターを使用した際、すぐに焦げてしまいます。

 対策としては、アルミホイルを使用すると、焦げを避けられます。封を開けた袋の中にいれたまま、電子レンジで約30秒〜1分加熱。パンが少し柔らかくなったらアルミホイルでパンの上下を覆い、トースターで約1〜2分ほど温めて完成です。

3.具材入り総菜を、中の具材が冷たい状態のままトースターで温める

 カレーパンなどの「中に具材が詰まっているタイプの総菜パン」の場合、中の具材が冷たい状態でトースターだけで温めると、中の具材が保冷の働きをするために温まりにくく、そのままトースターにかけてしまうことで外は焦げて中は冷たい状態なってしまいます。

 正解は、レンジ→半分にカット→トーストの工程。封を開けた袋の中に入れたまま、電子レンジで約30秒〜1分加熱。パンが少し柔らかくなったら半分にカットし、アルミホイルでパンの上下を覆い、トースターで約1〜2分ほど温めて完成。半分にカットした際に、まだ中が冷たい場合には10秒ずつ追いレンジをしましょう。

 今回のテクニックのうち、食パン、クロワッサン、菓子パンを覚えておくだけで、今後の冷凍パンライフが豊かになること間違いありませんから、ぜひ活用してみてくださいね!

<文・撮影・取材/食文化研究家 スギアカツキ>
【スギアカツキ】食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12