こんにちは。恋愛婚活コンサルタントの菊乃です。

A県の地方都市に住む佐藤恵さん(36歳・銀行勤務・実家暮らし)は、20代から地元で婚活を開始。お見合いや結婚相談所で婚活するも、支離滅裂なことを話す仲人や、ずさんな結婚相談所に振り回されるばかりで、一向に結婚できる気配もないまま30代半ばに。

そして、2020年に私のところへ相談にやって来ました。前回に引き続き、今は結婚している恵さんの約10年間にわかる苦労話を通して“地方婚活の実態”をお伝えしていきます。

◆4年以上在籍した結婚相談所、お見合い回数はたった4回
恵さんが31歳頃から登録していた“ずさんな結婚相談所”は、知り合いの知り合いである保険屋さんが、サイドビジネスで大手の結婚相談所連盟に加盟して始めた相談所でした。

4年以上も在籍していたのに、たった4回しかお見合いをできていなかった上、自分のプロフィールを見せてもらったことさえなく、何が書かれているか全く知らないと聞いて驚きました。お見合い写真も、実家の玄関先で親に撮ってもらった普段着の写真でした。なぜ仲人が何のアドバイスもしないのか疑問です。

私は、恵さんに提案をしました。

「ちゃんと結婚相談所の写真とプロフィールを作り直せば会える男性も増えるかもしれないし、会員として登録しているなら活用しましょう」
「そういうものなんですね。結婚相談所の人からは写真を持ってきてとしか言われていないですし、私がお見合いした男性の中には免許証の写真をスマホで写した人もいたし自撮りもいたので、そういう写真がダメだとは思ってもいませんでした」

その後、フォトグラファーを探すアワーフォトというサイトから、恵さんの住むA県で出張撮影してくれるカメラマンを探したところ、30代でセンスのいいカメラマンが見つかり素敵な写真が撮れました。

結婚相談所のプロフィール文章も新たに作り、“片手間”結婚相談所の仲人にプロフィールの変更を依頼しました。

◆写真と自己紹介を変えたら、県内アラフォーNo.1も狙える
全国区の大手結婚相談所は、地方にはあまり会員がいないのです。プロフィールと写真を変えてもあまり会えないかもしれないので、A県が運営する「出会いサポートセンター」という官製の結婚相談所のようなものも活用することにしました。登録料は2年で1万円です。

出会いサポートセンターはプロフィール作成のサポートなどはないため、登録者の紹介文や写真はレベルの低いものが多い印象です。プロに撮ってもらった写真と私が作成したプロフィール文で登録すれば、おそらく恵さんはA県のアラフォー女性の中で一番人気も実現可能だと思ったのです。

「出会いサポートセンターでは『女性は居住地を非公開にしたがる方が多いのですが、それだとマッチングしにくいので公開をお勧めします』と言われました」

登録してすぐに、5〜6人の男性から申込がありました。

県のシステムではお見合いができるのは1人だけで同時並行でデートすることができないため、一番年齢が近い2歳年上の男性と会ってみることにしました。お見合いが決まると、恵さんの情報は他の人から閲覧できなくなるそうです。

◆インパクト強すぎの「仲人おばさん」登場
お見合いが決まると地元の「仲人ボランティア」とチャットができるようになり、そのボランティアが日程調整や会場決めを仲介し、お見合いにも同席するという仕組みでした。そしてボランティアに渡すお見合い料2,000円を当日に持っていくルールです。

「お見合い会場の喫茶店に着いたら、ボランティアのおばさんが先に1杯ドリンクを飲み干してました。『どんどん頼んで』って言われたんですけど、私も相手もコーヒーを頼んだだけなのにおばさんはサンドイッチも頼んでました。しかもおばさんは家族からかかってきた特に急ぎでもなさそうな用件の電話に普通に出て話していてびっくりでした」

ボランティア女性のインパクトが強すぎて、相手の男性とよく話もできなかったそう。試しに後日、もう一回会ってみることにしました。

もちろん、全ての出会いサポートセンターがこんな使いにくい仕組みなわけではありません。

例えば埼玉県の「恋たま」は民間の結婚相談所に近くスマホで相手探しができて同時並行でデートもできるし、お見合いだって初めから男女2名で会う仕組みです。ただし、“県ガチャ”に外れればA県のような使いにくいサービスしか受けられないのです。

調べると、A県の出会いサポートセンターは2022年からやっとスマホからも相手探しができるようになっていました。ただし、閲覧時間が1日60分までという制限付きです。

◆ペアーズに登録したら、約1か月で彼氏ができた
このペースでは婚活がはかどりません。以前、効率重視のためにマッチングアプリも併用しようとを勧めて断られたことがありましたが、再度提案することに。

一番利用者が多くて結婚しているカップルも多いのがマッチングアプリだから登録してみませんかと説明したところ、恵さんは了承してくれました。

地方なので、使ったマッチングアプリは一番利用者が多いペアーズです。登録して3日で300〜400人から「いいね」がきました。

A県で歳が近い男性は全て「いいね」を返し、1通目は「はじめまして。ご興味お持ちくださりありがとうございます。B市南部に住んでいるめぐみと申します。どの辺にお住まいですか?」と送ってもらいました。これで、会える距離に住んでいる人が1通目のやり取りで分かります。

何十人かマッチングしましたが、実際に会ったのは5人です。ちなみに、恵さんの未来の結婚相手もペアーズで出会いました。

◆マッチングアプリに怖いイメージはあったけれど
「あの頃はマッチングアプリやサイトで出会った事件のニュースも聞いていたので危ない、怖いというイメージが強かったんです。私自身は怖い思いはしませんでしたが、謎の多い人には会いました。

ある個人事業主の男性は東京出身なのに縁もないA県に来ていて、仕事内容をはっきり言いません。検索したらフェイスブックのアカウントがあり、海外旅行やオシャレレストランの“儲けてるアピール投稿”がたくさん出てきました。仕事内容もA県にいる事情もよく分からず、1回会っただけで関わるのはやめました。

他には、メッセージでは低姿勢で好印象なのに会ったら別人だったという男性もいました」

恵さんの婚活を振り返ると、2020〜2021年に会った10人のうち5人がペアーズ経由です。都会の人にしたら「これだけ使ってたった10人?」という印象かもしれません。

その間、結婚相談所経由は0人でした。あとで恵さんに仲人の名前を聞いて検索したのですが、該当する結婚相談所が出てきません。もしかしたらもう廃業しているのかもしれませんが、それならちゃんと会員に報告すべきなのに。

「私も彼も、親にはマッチングアプリで出会ったとは伝えていません。県の出会いサポートセンターの登録に行くことなどは伝えていたので、親はもしかしたらそちらで出会ったと思っているかもしれません」

◆効率を重視したいなら、使えるものはすべて使って
もし地方で婚活をしていて、今もマッチングアプリは危なそうと避けている方がいるのなら、私は「怖がるのはそこじゃない」と伝えたいと思います。地方で出会い方をえり好みしていたら、変な人に会うリスクより、一生独身のリスクの方が高いのではないでしょうか。使えるものはすべて使ってみることをお勧めします。

結婚相談所への登録時には注意が必要です。ずさんな結婚相談所に当ってしまう率も高いので、知り合いの紹介ではなくネットで調べて複数の会社を比較検討しましょう。地元にこだわらず、オンラインで相談できる遠方のちゃんとしたところ、暇つぶしではなく仕事としてやっている結婚相談所に相談するのもアリです。

もちろん全てではありませんが、地方の婚活支援には、恵さんのように仕事をしながら婚活している世代の焦りや不安を解消する要素が欠けているところも多いのだなと思いました。婚活支援は、誰のためのものでしょう。お節介したい中高年の承認欲求を満たすための場になってはいないでしょうか。

※個人が特定されないよう一部脚色してあります。

<取材・文/菊乃>
【菊乃】恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt