「第7波」も到来し、長引くコロナ禍。リモートワークや会食を控えるなどの“新しい生活様式”が当たり前の日常になって早3年目ですが、無意識にストレスを抱え、胃もたれや不眠などの不快な症状でひそかに悩む人も多いようです。

 かといって、この超特大ストレス要因はすぐにはなくなってくれそうにないし……。一体どうすれば?!

 そこで今回は、ストレスと心身不調の関係に詳しい消化器内科医の工藤あき先生(工藤内科 副院長)に、「ストレスから自分で身を守る方法」についてレクチャーしてもらいます。

◆あなたは大丈夫? 不調を引き起こす“無意識ストレス負債”
――新型コロナの感染拡大以降、周りにも、胃もたれや不眠、メンタルの不調を抱えている人が増えた気がします。

工藤あき先生(以下、工藤):コロナ対策や社会活動の自粛を「当たり前の日常」と思いながら過ごしている中で、知らず知らずのうちにストレスを溜めている人、つまり“無意識ストレス負債(ふさい)”を抱えた人が多いということですね。

 ストレスはそもそも自覚しにくいものなのですが、ストレスを受けている状態が長く続くと、身体が先に悲鳴を上げ始めてしまうことがあります。ストレスがかかったことで心や身体に生じる、胃の不調や不眠などの様々な反応を「ストレス反応」といいます。

――ストレスを溜めやすいのは、どんなタイプの人ですか?

工藤:個々の性質以前に、もともと日本人は、欧米人や他のアジア人に比べてストレスを受けやすいとも言われています。これは幸せホルモンと言われる、セロトニンの分泌量を左右する遺伝子の違いによるものです。

 その中で「自分がしっかりしなければ」というタイプの人ほど、「まだ大丈夫」と気合で乗り切ろうとして、無意識にストレスを溜め込んでしまいます。こうした人ほどストレス反応が重症化しやすいので注意が必要です。長引くコロナ禍で、今後こうした“無意識ストレス負債”を抱える人はさらに増えるリスクがあるため、心身の変調には「早めに気づくこと」が大切です

◆今すぐやってみて! 無意識ストレス負債度チェック
――今の自分がストレスを抱えているかどうかって、どうしたらわかるんですか?

工藤:ストレスが長期化すると自律神経や内分泌系などにも影響を及ぼします。その結果、「身体面」「精神面」「行動面」の3つにさまざまな症状が“ストレス負債のサイン”として表れます。

 ここに、そのサインをもとにした簡単なチェックリストがあります。当てはまる項目が多い人ほど、無意識ストレス負債である可能性があります。ストレスが長期化・重症化する前に対策できるよう、ぜひこまめにチェックしてください。

【いくつあてはまる? 無意識ストレス負債度チェック】
●身体面
□胃痛 □胃もたれ □腹部膨満感 □下痢 □便秘 □アレルギー □めまい □動悸 □頭痛 □肩こり、腰痛 □だるい □息苦しい □のぼせ、冷え

●精神面
□イライラ □不安感 □抑うつ □不眠 □注意力散漫

●行動面
□仕事上のミスや事故 □暴飲暴食 □拒食 □浪費が増える □運転が荒くなる □身だしなみに気を使わなくなる

あてはまるチェック項目の数が…
0〜1個 :ストレス負債度0
2〜3個 :ストレス負債度1
4〜5個 :ストレス負債度2
6〜7個 :ストレス負債度3
8〜9個 :ストレス負債度4
10個以上:ストレス負債度5

工藤:いかがでしたか? ストレス負債度が0〜1の人は今のところ無意識ストレス負債の心配は少なそうです。ご自分でストレス対策ができているのかもしれませんね。

 ストレス負債度が2〜4の人は要注意。無意識ストレス負債を抱えているかもしれないことを念頭に、日常でできることから対策をしましょう。

 そしてストレス負債度が5の人は、すでに無意識ストレス負債を抱えている可能性大。早めに医療機関へ相談してください。

◆ストレスで胃がイタタ…だけじゃない! 胃の不調で心も不調に
――チェックリストにも「胃痛」「胃もたれ」が出てきましたが、よく「ストレスが溜まると胃が痛くなる」と言って、胃の不調は心身のバロメーターにもなっている気がします。これってどういう現象なんですか?

工藤:たしかに、胃の不調をきっかけにストレスに気づく人は多いですね。胃の不調は、ストレス反応による症状のなかでも代表的なものの一つで、ストレスを受けると脳の視床下部から自律神経の交感神経へも刺激が伝わり、胃酸が過剰に分泌されることで胃痛を起こします。

 このようなことから「胃は心の鏡」とも言われています。ストレスが胃の不調を招くだけでなく、逆に胃の不調が脳へと伝わり、気分の落ち込みを招くこともあるんですよ。胃と脳は自律神経を介して密接に関係していて、この相互関係を「胃脳相関(いのうそうかん)」といいます。

◆今日からできる“胃識マネジメント”を始めよう!
――本当はストレスの根本原因を取り除けたら理想なんでしょうけど、長引くコロナ禍をはじめ、それが難しいことも多々ありますよね。

工藤:でも、ストレスが原因の心身の不調は「胃」から整えることもできるんですよ。「胃は心の鏡」ですから。最後に、今日からすぐにでも始められる“胃識(いしき)マネジメント”を伝授します!

1. 胃は内側・外側の両方から温める
胃の働きを良くするために血流をアップさせましょう。夏でもパジャマのトップスはウエストインにして、外側からのお腹の冷えを予防します。温かいお茶を飲んだり、1日1回はお味噌汁やスープなどを食べるようにして、内側から温めることも大切です。

2.「気持ちがいい」と思える程度の運動をする
リフレッシュと血流アップを目的に、自分の体力にあった適度な運動を取り入れましょう。ハードな運動が得意でなければ、ストレッチやヨガでもOK。自分が「気持ちいい」と思える運動をすることが大切です。日中の疲れを解消して自律神経の働きを整えるためには、睡眠時間もしっかりとりましょう。

3. 胃の圧迫を避ける
ウエストを締めつけるような服装など、胃を圧迫するようなことはなるべく避けましょう。デスクワーク中はこまめにストレッチやマッサージを行うこともおすすめです。 丸まってしまいがちな背中や腰をきちんと伸ばしたり、いたわることが胃のケアにも繋がります。

4. 食べ物で胃を守る

長芋やオクラなどのネバネバ食材に含まれるムチンや、大根おろしに含まれる酵素、キャベツのビタミンUなどにも、胃をいたわる効果があります。また、ヨーグルトも胃に優しいと言われています。中でもLG21乳酸菌入りのヨーグルトには、胃の不快感を軽減させ、自律神経を整える効果があることもわかっています。乳酸菌が働き続けられるよう、毎日継続して摂取するように心がけましょう。

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 忙しく大変な毎日の中で胃の不調やストレスに気づくことは難しいかもしれません。一方で、ストレスが原因の心身の不調は「胃」から整えることもできる、という言葉を心強く感じました。

 今日からできる胃識マネジメントを参考に、まずは自分の胃を優しくいたわってあげてみませんか? 筆者は軽い運動や食事など、できることから気軽にはじめてみようと思います。

【福岡県みやま市 工藤内科 副院長 工藤あき】
消化器内科医・美腸・美肌評論家。一般内科医として地域医療に貢献する一方、腸内細菌・腸内フローラに精通。NHK『ひるまえほっと』、フジテレビ『ホンマでっか!?TV』などに出演。著書に『老けない人が食べているもの』(アスコム)、『体が整う水曜日の漢方』(大和書房)など。日本消化器病学会専門医・日本消化器内視鏡学会専門医。

<文/女子SPA!編集部>
【女子SPA!編集部】大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。twitter:@joshispa、Instagram:@joshispa