お互い好きで付き合ったり、結婚したりしたはずなのに、ささいなことで相手にイラッとしてしまうことも多いですよね。「可愛さ余って憎さ百倍」といいますが、好きだからこそ止まらないイライラが大きな喧嘩に発展することも…。今回は実録シリーズ「夫婦・カップル間のマジ喧嘩」から、過去の人気記事を再録します(初公開2017年12月4日、情報は掲載当時のものです)。

============

 ペットは家族の一員。ペットを飼い始めたおかげで、もともとの家族がより仲良くなることも多いと聞きます。

写真はイメージです

 ところが、ペットが原因で人間同士がモメることもあるようで…。経験者に話を聞いてみました。

不妊の鬱から救ってくれた新しい家族



「『夫婦喧嘩は犬も食わない』と言いますが、私たちは犬が原因で離婚スレスレの夫婦喧嘩に発展しました……」

 チワワをひざに抱き、愛おしそうに撫でながら語るハルエさん(仮名/36歳)は、結婚6年目を迎える専業主婦。

 3年前に仕事をやめて不妊治療に専念していたのですが、なかなか授からない絶望感から軽い鬱を発症してしまいます。その際、「気分転換になれば」との夫の勧めで、犬を家族として迎え入れました。

「子ども好きが高じて、長年保育士として働いていたんです。それだけに、自分の子どもができないつらさは、この世の終わりに匹敵するほどでした。でも、この子が来てくれたおかげで鬱から回復することができたんです」

チワワ 犬を飼いはじめてからというもの、次第に夫婦の会話は犬の話題が中心となり、これまで「幸せそうな親子を見たくない」との思いから足が向かなかった公園にも、休日に犬の散歩を兼ねて夫婦で出かけるようになるなど、これまでの重苦しかった空気は一転。

「いつか子どもができたら、きっとこんな風に過ごすんだろうとのイメージにもつながった」というほど、夫婦で我が子のように犬をかわいがる生活となりました。

夫の体調不良を招いた驚きの原因



 ところが、犬を迎えて3か月を過ぎたあたりから、夫が体調不良を訴えることが増え始めます。犬アレルギーを疑い受診を勧めても、「そこまでしなくても大丈夫」「もしそうだったら手放すことになるから」などの理由で、夫は一向に検査へ行こうとしません。

秋のチワワ そこでハルエさんは、不妊治療の血液検査の際にアレルギー検査もお願いしたそうです。

「結果、犬アレルギーはありませんでした。そうなるとほかの病気の心配も出てきて。でも、主人は『大丈夫』の一点張り。そのため、彼の様子を注意して見ていたんです。そうしたら……」

 大きな病気を心配して注意を払っていたハルエさんは、夫が体調不良を訴えるシチュエーションに規則性を発見します。それはなんと、犬の散歩やトイレの処理など、世話をするタイミングであることがほとんどだったのだそう。

「日ごろはすごく可愛がるのに、面倒に感じる世話だけはしたくなかったみたいで。体調が悪いと言ったり、うたた寝したフリをしたりして、なんとか避けようとしていたんです」

「犬より俺の世話をしろ!」と、離婚も辞さない話し合いに



 仮病を使ってまで面倒なことを押し付けていた態度に腹を立てたハルエさんは、ご主人にブチ切れ。すると、思いもよらない返事が返ってきました。

「『犬よりまず俺の世話をちゃんとしてくれよ!』って。私は犬にばかり目を向けて、自分を放置していると言うんです」

犬より俺の世話をしろ夫 このとき、ハルエさんの心の中には「この人とのあいだに子どもはムリだ」という思いが芽生えたと言います。そのため、不妊治療を続ける気も失せたことを伝えると、ご主人はさらに激怒。

「犬と人間の子どもを一緒に考えて俺の態度を非難するなんて、失礼極まりない! それなら、これまで不妊治療と犬にかけたお金を全額返して離婚してくれ!」と言い放ち、家を出て行ってしまったそうです。

「まぁ、数時間後には帰ってきたんですけど。でも、今後子どもを持つかどうか、夫婦としてどうしていきたいか、犬の世話をどうするかなど、『結論によっては離婚も辞さない』と言うほど深刻な話し合いとなりました」

写真はイメージです

 結局、犬の世話は当番制、不妊治療も続けていく方向で話は落ち着き、ケンカは収束。その後は大きなトラブルもなく夫婦生活を送っているそうですが、

「今回のケンカで、前ほど子どもを持つことに固執しなくなりました。だって、子どもの世話に追われたら、また同じ状況になりそうですから」

 と、ハルエさん。夫の本性を暴いてくれた愛犬に「感謝すらしている」そうです。

―夫婦・カップル間のマジ喧嘩 ―

<TEXT/千葉こころ イラスト/やましたともこ>

【千葉こころ】
ビールと映画とMr.Childrenをこよなく愛し、何事も楽しむことをモットーに徒然滑走中。恋愛や不倫に関する取材ではいつしか真剣相談になっていることも多い、人生経験だけは豊富なアラフォーフリーライター。