こんにちは。マッチングアプリ専門家のおとうふです。

 マッチングアプリ専門家・おとうふ婚活を語る時に切っても切り離せないのが「高望み」の話題。耳にタコができるほど聞いて「高望みがよくないのはもうわかったよ!」と感じている人も多いのではないでしょうか。

前回までの記事では、「高望みをやめるためのきっかけ作り」についてお伝えしてきました。今回は「具体的にどのように希望条件を見直すべきか」「どのようなマインドでマッチングアプリを利用すればいいのか」について、筆者の事例とともにお伝えしていきます。

うまくいかないのは「多望み(おおのぞみ)」のせいかも!?

私のところには毎日、マッチングアプリに悩む男女が相談に来るのですが、うまくいかない人には“とある共通点”があります。それは「相手に希望する条件の“量”が多い」こと。

一つ一つの条件をとってみればそこまで高望みではないのですが、身長、年収、学歴、外見的特徴や趣味、デートでの立ち振る舞いに至るまで、「こういう人がいい!」という強いこだわりをたくさん持っている方が多いです。高望みというよりも、相手に多くを望みすぎている――「多望み(おおのぞみ)」という表現のほうが近いかもしれません。

厄介なのは、本人としては「普通を望んでいるだけなのに…」と感じているため、高望みの自覚を持ちにくいこと。そのため多望みの人は理想の人と出会いにくく、婚活が難航しやすくなるのです。

一点集中の方がむしろスムーズ? 婚活と物件探しの共通点

意外かもしれませんが、「とにかくイケメンがいい!」「とにかくお金持ちがいい!」など、一点集中型の人のほうが婚活がスムーズにいきやすいです。それは、多くの女性が「バランスのいい男性」を求めるから。

マッチングアプリや結婚相談所では、高収入で外見も良い男性(いわゆるハイスペイケメン)に人気が集中します。だから、一点集中型の人が狙う男性はライバルが少なくうまくいきやすいのです。

 写真はイメージです(以下同じ)物件探しで例えるなら「とにかく駅近の物件がいい!」とか「とにかく新築の物件がいい!」みたいな人はすぐに部屋が見つかりそうではないでしょうか。反対に「駅から徒歩5分以内で新築で鉄筋コンクリートでガスコンロが3口ついてて床下暖房がついてて家賃は相場の半額ぐらいで〜(以下略)」みたいな人は、気にいる物件が見つかるまで時間がかかりそうですよね。

実は婚活も同じです。「高望みしているつもりはないのになぜか婚活がうまくいかない」と感じている人は、高望みではなく、相手に多くを求めすぎている「多望み(おおのぞみ)」を疑ったほうが良いかもしれません。

なぜあなたは「身長170cm以上」で検索しているのか?

では、具体的にどうしたら「多望み」をやめられるのでしょうか。

まずは、自分の掲げている理想の条件が本当に必要なのかどうかを一つ一つ確認していく作業が必要です。例えば身長。多くの女性が漫然と「170cm以上」「175cm以上」など区切りのいい数字を設定して検索していますが、それは果たして本当に意味のある数字なのでしょうか。

身長と体重と健康以前男性のご相談者の方で「どうしても体重50kg以下の女性と結婚したい」と言っている人とお会いしたことがあるのですが、それと似たものを感じます。冷静に考えれば、幸せな結婚をするのに体重はそこまでシビアになるほど重要ではないはずです。それに同じ50kgでも身長や筋肉量によって見た目の印象は大きく違いますよね。しかし、その男性はあくまでも50kgという“数字“に固執して、条件を譲ろうとしませんでした。

体重の例はやや極端かもしれませんが、数字というのはあくまでも数字。検討材料の一つにはなっても、会ってみなければわからないことのほうが多いです。ましてや、いくらでも嘘を書くことができるマッチングアプリにおいては、数字はほどんどあてにならないと言っても過言ではありません。

“条件ありき”のマッチングアプリなら出会えなかった男性

そうは言っても前述の体重50kg以下を希望していた男性のように、人によっては「どうしても譲れない条件」というのはあると思います。筆者も以前は「絶対に身長は170cm以上の男性がいい。身長が低い人は好きになれない」と男性の身長に強いこだわりを持っていました。

しかしある時、そんな思い込みをくつがえす衝撃的な出来事があったのです。知人に連れられてバーに行った時のこと。その日私は、知人からどストライクな見た目の男性を紹介されました。線が細く、スッキリとした目にパーマのかかった綺麗な黒髪、黒ぶちメガネが似合うその男性は、まるで女性向け恋愛シュミレーションゲームに出てくるイケメン執事のような雰囲気でした。

メガネをかけた男性テンション爆上がりで話をしているうちに、会話の流れでたまたま身長の話に。そこで驚いたのが、なんと彼の身長は「165cm」だと言うのです。小顔でスタイルの良い彼は、実際の身長よりもずっと高く見えました。

もしこれがマッチングアプリだったら、身長170cm以下の彼からいいねをもらっても、きっと華麗にスルーしていたでしょう。「なんてもったいないことをしていたんだろう…!」と、私はその日初めて、数字にとらわれてご縁を逃すことのもったいなさを身をもって痛感し、マッチングアプリの検索条件を見直すことにしたのでした。

会ってみないとわからないことのほうが多い

この「メガネくん」の一件で、身長や年齢などの数字にとらわれずに相手を探すようになってからというもの、状況がガラリと変わりました。今までは「なかなかいい人がいない」と思っていたのに、不思議なことに出会う人が素敵な人ばかりになったのです。自分がなんとなく決めていた検索条件のせいで、出会いの幅が狭まってしまっていたことを再認識しました。

ウェディング カップル現にマッチングアプリで出会って結婚した今の夫は、プロフィールに身長も年収も載せていないどころか、はっきりとした顔写真も載っていませんでした。

「もっと早く出会いたかった」と思うくらい今は毎日が幸せですが、数字や肩書きにこだわっていたかつての自分では彼と出会えていなかったと思うので、あのタイミングで考え方を変えることができて本当に良かったと思っています。

条件を絞って探すことは、本当に効率的?

マッチングアプリに限りませんが、多くの恋活・婚活サービスのメリットの一つは「条件で効率よく探せるところ」ですよね。しかし、ややもするとご縁の可能性を狭めてしまうリスクもあります。譲れない条件があっても良いと思いますが、条件を満たした人と出会えたからといって必ずしも幸せになれるとは限りません。

今マッチングアプリを使っている人やこれからマッチングアプリを始めようと思っている人には、お相手のスペックにとらわれずに、ご自身が心から素敵だなと思えるお相手と出会うチャンスを掴んでほしいなと思います。きっとその先には、数字では計り知ることのできない幸せな未来が待っているはずです。

<文/おとうふ>

【おとうふ】
マッチングアプリ専門家。日本心理セラピスト協会認定心理セラピストの資格を活かし、プロフィール添削のプロとして活躍。マッチングアプリのプロフィール添削を行い、自身もマッチングアプリで300人以上と会った経験がある。TBS「マツコの知らない世界」などのメディアにも出演。著書に『今すぐ!最高の彼に出会うための マッチングアプリ恋愛術』(KADOKAWA刊)がある。Twitter:@o10fusan