
前回までの記事では、「高望みをやめるためのきっかけ作り」についてお伝えしてきました。今回は「具体的にどのように希望条件を見直すべきか」「どのようなマインドでマッチングアプリを利用すればいいのか」について、筆者の事例とともにお伝えしていきます。
うまくいかないのは「多望み(おおのぞみ)」のせいかも!?
一つ一つの条件をとってみればそこまで高望みではないのですが、身長、年収、学歴、外見的特徴や趣味、デートでの立ち振る舞いに至るまで、「こういう人がいい!」という強いこだわりをたくさん持っている方が多いです。高望みというよりも、相手に多くを望みすぎている――「多望み(おおのぞみ)」という表現のほうが近いかもしれません。
厄介なのは、本人としては「普通を望んでいるだけなのに…」と感じているため、高望みの自覚を持ちにくいこと。そのため多望みの人は理想の人と出会いにくく、婚活が難航しやすくなるのです。
一点集中の方がむしろスムーズ? 婚活と物件探しの共通点
マッチングアプリや結婚相談所では、高収入で外見も良い男性(いわゆるハイスペイケメン)に人気が集中します。だから、一点集中型の人が狙う男性はライバルが少なくうまくいきやすいのです。

実は婚活も同じです。「高望みしているつもりはないのになぜか婚活がうまくいかない」と感じている人は、高望みではなく、相手に多くを求めすぎている「多望み(おおのぞみ)」を疑ったほうが良いかもしれません。
なぜあなたは「身長170cm以上」で検索しているのか?
まずは、自分の掲げている理想の条件が本当に必要なのかどうかを一つ一つ確認していく作業が必要です。例えば身長。多くの女性が漫然と「170cm以上」「175cm以上」など区切りのいい数字を設定して検索していますが、それは果たして本当に意味のある数字なのでしょうか。

体重の例はやや極端かもしれませんが、数字というのはあくまでも数字。検討材料の一つにはなっても、会ってみなければわからないことのほうが多いです。ましてや、いくらでも嘘を書くことができるマッチングアプリにおいては、数字はほどんどあてにならないと言っても過言ではありません。
“条件ありき”のマッチングアプリなら出会えなかった男性
しかしある時、そんな思い込みをくつがえす衝撃的な出来事があったのです。知人に連れられてバーに行った時のこと。その日私は、知人からどストライクな見た目の男性を紹介されました。線が細く、スッキリとした目にパーマのかかった綺麗な黒髪、黒ぶちメガネが似合うその男性は、まるで女性向け恋愛シュミレーションゲームに出てくるイケメン執事のような雰囲気でした。

もしこれがマッチングアプリだったら、身長170cm以下の彼からいいねをもらっても、きっと華麗にスルーしていたでしょう。「なんてもったいないことをしていたんだろう…!」と、私はその日初めて、数字にとらわれてご縁を逃すことのもったいなさを身をもって痛感し、マッチングアプリの検索条件を見直すことにしたのでした。
会ってみないとわからないことのほうが多い

「もっと早く出会いたかった」と思うくらい今は毎日が幸せですが、数字や肩書きにこだわっていたかつての自分では彼と出会えていなかったと思うので、あのタイミングで考え方を変えることができて本当に良かったと思っています。
条件を絞って探すことは、本当に効率的?
今マッチングアプリを使っている人やこれからマッチングアプリを始めようと思っている人には、お相手のスペックにとらわれずに、ご自身が心から素敵だなと思えるお相手と出会うチャンスを掴んでほしいなと思います。きっとその先には、数字では計り知ることのできない幸せな未来が待っているはずです。
<文/おとうふ>
【おとうふ】
マッチングアプリ専門家。日本心理セラピスト協会認定心理セラピストの資格を活かし、プロフィール添削のプロとして活躍。マッチングアプリのプロフィール添削を行い、自身もマッチングアプリで300人以上と会った経験がある。TBS「マツコの知らない世界」などのメディアにも出演。著書に『今すぐ!最高の彼に出会うための マッチングアプリ恋愛術』(KADOKAWA刊)がある。Twitter:@o10fusan