かつて髪はボサボサで化粧もしない「完全なる非モテ」だった筆者。「人は変われる」を自ら実践し、多くの方々の“もったいない”をご指摘してきた経験から、誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。
「好きになれる人に出会えない」と嘆く30歳女性

気持ちが動く人には巡り会えず、相談所の人に相談しても「好みは人それぞれですし」「希望条件を広げては」と漠然としたことしか言われず、私のところへご相談にやってきました。
恵さんは白黒ボーダーで肩にリボンが付いているニットと、緑のチェックのツィードスカート、白いパンプス、パールのピアス、リボンのブレスレット、ピンクのバッグという服装でした。装飾が多く、全身ゴチャゴチャとしたコーディネイトです。
聞くと普段のお見合いの服もこんな感じだそう。
オシャレ感を出そうとした結果“もっさり”に
結婚相談所のプロフィール写真を見せてもらいましたが、白い丸襟ブラウスに黄色いカーディガン肩掛け、チェックのスカートというコーディネイトでした。これもまたもっさりしている……。
私が「服装を変えて、写真を撮り直しませんか?」と提案すると、恵さんは反論します。
問題はアイテムというより「組み合わせ」
「それは間違いないと思いますが、組み合わせを変えるだけでもっと大人っぽく素敵になりますよ。人気の男性は、丸の内OLとかCAさんとか華やかな女性ともお見合いしているので、見比べられたら恵さんは素朴すぎるんです」
「素朴すぎるんですか。結構、おしゃれは好きなんですけど」

私って「子どもおばさん」だったんですね
「私ってダサかったってことですね。見比べたら前の私って、子どもおばさんですね」
恵さんに限らず、ビジュー付きアンサンブルニット、花柄ワンピースなど装飾が多い「かわいい服」を着て、「変な人しか寄ってこない」と愚痴る女性は多いです。
じつは結婚相談所側が、外見改善のアドバイスをしないどころか、こういうダサい服をわざわざ推奨することもあるからです。ところがお見合い会場にいくとこんなぶりっ子コーディネイトの女性も多くいるため、自分の服がイタイとは気が付きにくいのです。
女性が初対面で好感を持つような男性は“普通”か?
恵さんはこれまで会った男性のことをあまり覚えていないといいます。お相手の仕事内容、どの辺りに出かけることが多いのか、好きな食べ物、趣味についても、特に恵さんの方から質問したことはあまりなかったそう。
そんな恵さんの好みは「話しやすくて気遣いができる同年代の男性」。しかし、当てはまる男性は人気があるのでそんなに長く結婚相談所に在籍していないでしょう。

「え!そんなの聞いてないです。男女比は4:6って初めに聞いたんですけど」
結婚相談所はライバルの数まで教えてくれない

「どうすればいいですか?」
「お見合いでは相手に興味を持って、食べ物の好みとか、出かけやすい場所は、全員に質問してください。そして仮交際が成立したら、恵さんのほうからお店を提案しましょう」
「好きでもない人に勘違いさせちゃ悪いし」
それに女性から積極的に質問していると、男性からも好印象なのです。
ところが、恵さんは「好きでもない人に、こっちからそこまでしないとだめですか?好きって勘違いさせちゃ悪いし」と言います。

「それは嫌かも」
「ですよね。相手に興味を持って質問をするのは、好きだからやるというよりマナーに近いですよ。
会った男性を喜ばせるのが当たり前と思っている女性もいるし、いざ好きになれそうな男性に会えたとしても、比べられたら自然体で興味を持ってくれる女性が選ばれちゃう可能性が高いよ」
「そうなんですね」
さほどモテない現実に気付けない自称・普通女子
それに加えて、恵さんも「やってくれるならやってあげる」という受け身な姿勢を改めてお見合いに挑み、自然と会ってみたいと思える人が増えたそうです。
今は無事に成婚退会している彼女に、婚活を振り返って一番大きく変化を感じたことを聞いてみました。
「初めは仕事と思って目の前の人に質問して、興味がある振りをしていました。でも相手を楽しませようって思って会話する方が、楽しく時間が過ごせました
婚活は、自分と向き合うのが辛かったです。菊乃さんに相談に行ったときには、『自分は普通だし、外見にも男性と会っている時の振る舞いにも問題ない』と思っていました。モテないわけですよね。
私の思っていた以上に、“普通”ってハイレベルなんだなといまは分かります。そんな女性なら20代で婚活なんかしないで結婚するし、私が普通と思っていた男性も、実際にはかなり人気があるタイプの男性でした。
私がズレていて、そんなにモテないのに不相応なものを求めていたことが、やっと腑に落ちました」
同じ男性が、女性によって態度を変えているのを目撃
同じ男性に会っても「わざわざ先に来て席を取ってくれてありがたいです。とってもいい人だった」という相手のいいところを見つける女性もいれば、「会話も盛り上がらなかったし、イマイチ」と話す女性もいます。婚活を早く卒業するのは、言うまでもなく前者です。

Aさんには「今月は忙しくて」と言って3週間後の日程を出すのに、Bさんには毎週会おうとしているのです。
男性も女性もお互いに「優先順位」をつけられている
こんな風に考えてみれば、自分の会った男性が、他の女性にはより良い対応をしているかもしれないとわかります。ごく当たり前のことですよね。女性だっても複数の男性と会えば、第一希望、第二希望、補欠、と順位があるのですから。
なお、この序列を相手に感じさせて対応差を露骨に感じさせる方は婚活がうまく行きません。「目の前の人が常に第一志望」なのです。
外見だけで女性を下に見る男性はやめておこう
いろんな男性に会ったのに、好きになれる男性に一人も会えないように感じる場合、「結婚相談所には素敵な男性がいない」「独身で残っている男性って何かしら問題ある」と歪んで現実をとらえる方もいます。
でも、そうじゃないのです。言いにくいことだけれど、本人にあんまり魅力がないというケースがほとんどなのです。
ダメージが大きいかもしれないけれど、これは本人の顔立ちや、生まれ育った環境のことではありません。コーディネイトを変えるとか、話し方とか、いくらでも改善できることばかり。自分はモテないという現実を受け入れた人しか、到達しない境地なのです。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<取材・文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt