モノを捨てたり部屋の整理をすると、スッキリした気持ちになりますが、人間関係の付き合いは「あっさり捨てる」というわけにはいきません。

 それでも、長い付き合いの中でどうしても許せないことがあった場合は、人間関係も整理したほうがスッキリする場合もあるようです。

 写真はイメージです。(以下同じ) 白井ゆみさん(仮名・27歳)は、ずっと仲良くしていた同僚との付き合いを、あることがきっかけでバッサリ斬ったそう。

結婚願望が強い合コン好きの同僚

 白井さんの会社の同僚は、まあまあ可愛くてモテ系。結婚願望が強くて、何かにつけて合コン話を持ってきて、白井さんを誘うのだそう。

「合コンはわたしと同僚、男性二人の『2対2』で会うことが多かったんです。いったいどこでそんな人を紹介してもらうのかわかりませんが、とにかくあちこちに誰か紹介してと持ち掛けていたようです」

狙った人にベッタリの同僚にモヤッ

 彼氏もいなかったので、同僚の誘いを受けて合コンに参加していた白井さん。けれど徐々にモヤっとすることが。

 同僚の彼女は、自分のお気に入りの人を見つけると、あからさまに狙った人にベッタリ。結果的に余ったもの同士でお話するはめになってしまうそう。

狙った人にベッタリの同僚にモヤッ「4人という少人数で飲んでいるのだから、その場は気に入ったとしてもある程度4人で会話を楽しんだほうがいいと思うんですが、そんなことはお構いなし。気に入った人にガンガン攻めに行くんですよね…」

 困惑しながらも、自分にもいい出会いがあればいいなと思い誘いに応じていた白井さん。けれどさらに面倒なことに付き合わされます。

休日を潰してダブルデートにまで

「ある合コンで気に入った人と休日お出かけしたいから、一緒に行ってくれない?と誘われたんです。お目当ての彼と2人で会おうとしたようですが、相手はそこまで乗り気ではなさそうで、みんなでなら、と言われたようで」

休日を潰してダブルデートにまで 同僚とは会社の借り上げアパートで、住んでいるところまで一緒。なんとなく断りにくくて、一度だけなら、と遊園地に出かけたそうです。

「仕方なく付き合いましたけれど、想像どおり、2人ずつ乗る乗り物は、同僚とお気に入りの男性と2人で乗ってしまいます。必然的にわたしともう一人の男性が組むはめに。わたしはその男性は正直イマイチで、休日を潰してまで付き合うのは予想以上にキツかったです」

同僚に付き合った結果、困ったことに

 休日のダブルデートのようなことまで付き合った白井さん。その人の好さが裏目に出てしまう事件が起こります。

「同僚に付き合わされていただけなのに、“じゃないほう側の男性”に好きになられてしまいました。正直好みじゃないけど、また4人で会おうとノリノリで誘われてしまって。同僚も狙っている彼をなんとか落としたくてしつこく誘ってきて困りました」

 その男性からは、二人で会おうとデートの誘いまでしつこく受けるようになってしまったとか。

同僚に相談して逆ギレされる

 さすがに付き合いきれないと思った白井さんは、同僚に自分の困っていることを伝えました。

同僚に相談して逆ギレされる「これ以上付き合うのは大変だから、あとは自分でお目当ての彼にアプローチしてね、とやんわり伝えたのですが、『ひどい! わたしの応援をしてくれないの?』と逆ギレを食らいました。そこでわたしも、日ごろから積もっていたモヤモヤが一気に爆発してしまいました」

 同僚の誘いにできるだけ付き合ってあげようと思っていた白井さんですが、困っていると伝えても逆ギレする彼女に「本性」を見たような気がしたと言います。

「もともと自分のことばかりで、友達のことなどどうでもいい人だったのかもしれないですね。思い返してみれば、わたしが合わせることが多かったし、一緒にいるとモヤモヤすることも多かったです。同じ部署で、数少ない同世代の彼女とは寮も同じだったから、一緒にいただけなのかもしれません」

今さら謝られても遅い

 目が覚めた白井さんは、同僚の彼女と付き合いをやめることを決意します。

「ずっと合わせてきたけど、嫌なこともたくさんあって、もう耐えられないから、付き合えない。とハッキリ伝えました。彼女は驚いたようで『悪いところがあったなら治すから、許して』と言いましたが、もう一度溢れてしまった怒りは元に戻らず、もう無理、ごめんと伝えました」

 いちばん身近な同僚と絶縁してしまった白井さん。彼女との関係を切るのは迷いもあったそうです。

「一緒にお出かけする友達がいなくなるのは、わたしも怖かったです。けれどそれ以上に許せない気持ちが上回り、もう付き合わないことにしました」

男友達と話してる方がずっと楽

 不安もある中思い切って関係を断った白井さんですが、その後、同期の男性社員などと仲良くなり、気楽に付き合える友達が増えたそうです。

「男友達と話しているほうが断然ラクでした。当時のわたしを見て『男あさりばっかりしてたよな』と笑われましたけれど(笑)。モヤモヤすることがなくなって、本当にラクになりました」

 長く付き合ってきた友人関係を切ることは、とても勇気が必要ですが、自分を大事にしてくれない人と嫌な時間を過ごすよりも、思い切ってさよならしたほうが、自分の時間が充実するのかもしれませんね。

―シリーズ「捨てて/やめてよかった!人・モノ・習慣」―

<文/大杉沙樹>

【大杉沙樹】
わんぱく2児の母親というお仕事と、ライターを掛け持ちするアラフォー女子。昨今の情勢でアジアに単身赴任中の夫は帰国できず。家族団欒夢見てがんばってます。