こんにちは。恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。個別婚活相談や結婚相談所のセミナー講師をしながら、これまで1000人以上の「出会いがない男女」の相談に乗ってきました。

かつて髪はボサボサで化粧もしない「完全なる非モテ」だった筆者。「人は変われる」を自ら実践し、多くの方々の“もったいない”をご指摘してきた経験から、誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。

あなたは「30歳でお互い独身なら結婚しよう」を信じる?

 写真はイメージです(以下同じ)この仕事をしていると、気になる男性の言葉を“自分の解釈したいように”解釈してしまう女性に遭遇することがあります。彼女たちは結果として、自分を大事にしないのです。舞さん(仮名・31歳)もそんなお一人です。

舞さんには大学時代に仲がよかった男性がいました。一緒にいて楽しく、彼と付き合いたいと思っていたそうです。二人きりでいて「いい感じの雰囲気」になったと思った時もありました。そして彼から「お互いに30歳で独身なら結婚しようか」と言われたそうです。

誰にも「やめておけ」と言われなかったわけは

そうなったらいいなと思っていた舞さんは、待ちました。結婚どころか彼氏ですらない男性なのに。

彼が舞さんのことを大事に思っているのならば、そんなことはまず言わないはずです。でも舞さんは、軽く扱われていることに気が付かないふりをしました。もし共通の知り合いに「こんなことを言われた」と打ち明けていれば、誰かしら目を覚ませと言ってくれたのではないでしょうか。

でも舞さんは、このことを誰にも言いませんでした。自分でも、やめておけと言われると気付いていたのかもしれません。

やがて、その男性が他の女性と付き合っているという情報が耳に入ってききました。それを知った時、舞さんは20代後半だったそうです。

「いい人紹介するね」「合コン呼ぶよ」を待って1年経過

そこですぐ行動すれば、まだ舞さんはまだ「20代」というプレミアを活用できたかもしれません。すでに男性の紹介や食事会の誘いも20代前半と比べてぐっと減っていたのですが、また声をかけてもらえると思って待ちました。

根拠もないのに妙に楽観視していた舞さんがやっと危機感を持ったのは、30代に突入したとき。同僚がマッチングアプリで付き合った男性と結婚したことがきっかけでした。

スマートフォン・悩む女性舞さんもマッチングアプリに登録しましたが、メッセージのやり取りでいきなりつまずきます。

「“いいね”が来るのって登録した時だけで、その後はすぐ来なくなるんですね。それにマッチングした男性からも、すぐ返信が来なくなるんですね」

男性の「いいね」は“タイプだ”や“好き”ではない

アプリで男性から来た「いいね」に、大した意味はありません。男性側も多くの女性に「いいね」を送らないとマッチングしないので、たいてい1日に送れる「いいね」を使い切るために「いいね」を送っています。プロフィールもよく読まずに。

舞さんに限ったことではないのですが、男性からの「いいね」を「タイプだ」「好き」「付き合いたい」と深い意味があると思ってしまう女性が後を絶ちません。いいねをくれた男性のプロフィールを読んで会ってみたい男性にだけに「いいね」を返しても、その男性は人気があって、ライバルが多いのです。

相手の言葉をそのまま鵜呑みにしてしまう舞さんに、マッチングアプリは向いていないと確信しました。

結婚相談所は「最初のやり取り」をスキップできる

そこで舞さんは結婚相談所を利用することにしました。

結婚相談所は相手のプロフィールを見て申込みをします。そして相手が「会ってもいいな」と思ってくれたら、メッセージのやり取りではなく対面する日程の調整に進みます。

デートするカップル最初に会った時には、お互いのフルネームも連絡先も知りません。もう一度会ってもいいなと双方が思ったら、そこで初めて結婚相談所を介して連絡先交換ができる仕組みです。

つまり、2回目までは駆け引きなく進むのです。

舞さんの31歳という年齢は結婚相談所の女性会員の中でもまだ若い方。登録するとそこそこ申込みもあり、お見合いは次々成立しました。

そして、32歳で清潔感がある銀行員の大輔さん(仮名)と“2回目”に進めることとなりました。

大輔さんは、舞さんの中で第一志望に躍り出ます。大輔さんとお見合いした翌日にも別の男性とお見合いがあったのですが、舞さんは上の空。すっかり大輔さんに気持ちが傾いていたため、お相手に何も質問もせずリアクションもほとんどしませんでした。当然、その男性からは“お断り”されました。

「予定を確認してまた連絡しますね」は、ほぼ脈ナシ

まだ大輔さんに告白されたわけでもないし、あっちだって他にも会っている女性がいるはずの状態です。なのに「選べるつもり」になってしまった舞さん。この段階で、一人に絞るのは危険なのに

舞さんと大輔さんは翌週の水曜日の夜に食事をしました。そして舞さんは「また会いたい」と伝えます。大輔さんの返事は「ちょっと予定が分からないから調べて連絡するね」で、そのまま解散したそうです。

週末になっても、大輔さんから連絡はありませんでした

こうなってしまったらもう、残念ですが結果は見えています。

婚活って「そういうもの」だから

「私から見て、大輔さんは脈ナシに近いと思います。他の男性にも目を向けましょうよ」

でも、連絡するって言ってましたよ。仕事が忙しいそうですし

「大輔さんみたいな爽やか大卒で勤務先も堅い男性だと、かなり人気がありますよ。20代女性とだって会っていると思います。婚活ってそういうものだから」

「そうですよね」

しばらくして、大輔さんからはお断りされたそうです。大輔に選んでもらえるつもりになっていた舞さんは、ようやく能天気すぎたことを自覚しました。

婚姻届を提出するまでが婚活。気を緩めすぎないで

舞さんはその後も十数人とお見合いをしました。大輔さん以外にも素敵だと思った男性はいたのですが、交際希望を出しても先方から断られました。素敵だなと思った男性は、会うところまでは進んでも、向こうから断られるのです。

赤い糸を指につけている女性結婚相談所の新規登録時にはたくさんの男性から申し込みがあり、お見合いも成立しました。でも「初めて会う」って、まだまだ結婚のずっと手前の段階なのです。

婚姻届を提出するまでが婚活です。

「いいね」をもらっただけ、2回目デートに進んだだけで安心して、ライバルの存在を忘れてはいけません。うまくいかない方ほど、自分だって選ばれる立場だということを忘れてしまいがちなのです。

※個人が特定されないよう一部脚色してあります。

<文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt