
質の高い睡眠を求めて、“快眠プログラム”なるものを提供しているファーイーストビレッジホテル東京有明に潜入してきました。眠りに特化した特別ルームに1泊した感想をレポートします。
質の高い睡眠を求めて1泊したのは「快眠ルーム」
東京ビッグサイトや国際展示場、有明アリーナなどのイベントホールから程近い場所にあるファーイーストビレッジホテル東京有明。今回の宿泊の目的は、眠りに特化した “快眠ルーム”なる客室で過ごすことです。快眠ルームは、睡眠を専門的に研究されている睡眠コンサルタント・友野なお先生監修のもと、入眠までの過ごし方の提案や、より上質な睡眠を実感するためのさまざまな快眠アイテムが揃えられた客室。
まずは、快眠アイテムのラインナップをチェックしていきます。
渾身の快眠アイテムはコレ

●首と後頭部をバランス良く支え、寝返りに対応するだけでなく、就寝中にダメージが集中しやすい頬にかかる圧を分散させる構造の枕「newmine」





良い眠りのために効果的だと知られているアイテムから、初めて見聞きするアイテムまで、客室内には“快眠体験”をするための品々がズラリと取り揃えられています。
実際に快眠できるのか…
ここからは、これらのアイテムを使用した快眠ルームでの過ごし方の例をご紹介。
心休まる香りの入浴剤を溶かした湯船に浸かり、肌触りの良いパジャマに着替えてオフモードへと切り替え。
<22時半>
ハーブティーを傍らに、ぬり絵(絵柄の上から下に向けて塗っていくと、自然とまぶたを閉じやすくなるそう)をしたりして過ごすうちに、早くも軽い眠気を覚えはじめます。
<23時>
ベッドに移動して、背中・股関節まわりのような大きな筋肉がある部位をストレッチ。筋肉の緊張を緩めたら、枕もとの「Sleepion3」のスイッチをON。ローソクの揺らぎのような光とラベンダーの香り、鳥のさえずりにじわじわと眠りに引き込まれていきます。

睡眠データを計測するためのデバイスを装着して、就寝。
記憶が定かであれば中途覚醒は2回、いつもの半分以下です。起床時間は5時前。普段より30分ほどゆっくりしてから起きてみると、心なしか体のコリ具合にも違いが感じられます。これは、寝返りを打ちやすいベッドや枕、サラッと着られるパジャマのおかげかもしれません。
さて、肝心の睡眠データはというと…? 翌日、同ホテルにて開催された「レムとノンレムから紐解く“質の高い睡眠”取材会」にて解析してもらってきました。
睡眠に悩みがある人は意外と多い
2023年8月29日(火)、一般社団法人ウェルネス総合研究所・睡眠バランス研究PROJECTは「レムとノンレムから紐解く“質の高い睡眠”取材会」を開催。同研究所がおこなった「睡眠に関する意識と実態調査(※)」によると、約7割の人が睡眠に何かしらの悩みを抱えていることが判明しました。
※2023年8月4日(金)〜6日(日)、全国の10-60代の男女1,200名を対象におこなったインターネットによるアンケート調査
また、睡眠に悩みがあっても対策をしている人は約半数で、対策をしても効果を感じられていない人はさらにその半数ほどだということもわかっているそう。
登壇された睡眠コンサルタントの友野なお先生によると、ホルモンバランスや妊娠・出産の影響、更年期による影響などからも、男性より女性のほうが睡眠の質が不安定になりやすい傾向があるとのこと。
質の高い睡眠の条件、知ってる?

質の高い睡眠の条件は、ノンレム睡眠(脳の休息)とレム睡眠(脳のリフレッシュ)のバランスが取れていることがポイントだと言います。
具体的にいうと、睡眠の前半に現われるノンレム睡眠の中でも、ぐっすりと眠る“深睡眠”で身体と脳を休め、成長ホルモンを分泌し、後半に現われるレム睡眠ですっきり目覚めるための準備をする―。その結果、翌朝「良く寝た」「すっきりした」と感じやすくなるのだそう。
短時間ぐっすり眠るのでも、長時間ダラダラ眠るのでもなく、このノンレム睡眠とレム睡眠のバランスが良い睡眠を取ることが大事だといいます。
自分の睡眠サイクルを把握すると…
そこで知っておくと役に立つのが、自分の睡眠サイクル。HUAWEI Band8を使い、前日に計測した筆者の睡眠データを例に見てみると、明け方に深い眠りに落ちていることから“朝すっきり起きられない人の睡眠サイクル”であることがわかります。

食事や運動のように起きている時間に意識的に改善できることとは違い、睡眠に関してはできることが限られている―。と、どこか諦めに近い気持ちを抱いていたけれど、寝室の明るさや温度・湿度、寝具・就寝時の服装だったり、リラックスできる環境づくりをするなど、ここ数年で良い睡眠にアプローチする方法が増加傾向にあるのは心強い限り。
新陳代謝の低下(太りやすくなる・肌荒れしやすくなる)や、作業効率の低下などの悪影響が起きる原因にもなる睡眠の質の低下。
心身の健康やパフォーマンスアップのためにも、自分に合った改善策を取り、睡眠バランスを整えることが大事になってくるのですね。
<取材・文・撮影/高木沙織>
【高木沙織】
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。2021年からは、WEB小説の執筆も開始。Instagram:@saori_takagi