5月上旬、F1のドライバー移籍市場で大きな動きがあった。トップチームの一角であるフェラーリが、現在チームに所属するセバスチャン・ベッテルと契約を延長しないことを明かすと、現マクラーレンのカルロス・サインツJr.が2021年からフェラーリ入りすることが続けざまに発表された。

 そしてドミノ倒しのようにその動きが波及し、ダニエル・リカルドが今季限りでルノーを離脱し、2021年はマクラーレンへ移籍することも決定した。

 リカルドは当初、ベッテルの後任候補としてフェラーリ入りする可能性も囁かれており、レッドブルに在籍していた2018年には、交渉も行なっていた経緯もあった。

 彼は今回の移籍劇で、フェラーリとの話し合いが今年にまで及んでいたと明かした。そしてフェラーリが後任を選定する中で、最終的にチームがサインツJr.を選択しただけだと語った。

「数年前から話し合いは行なわれてきて、今に至るまで続いていたんだ」と、リカルドはCNNのインタビューに答えた。

「それは本当のことだけど、明らかなようにそれが実を結ぶことはなかった」

「でもあまり深く掘り下げることを選んではいない。みんなが僕の名や背景を考えれば、それ(フェラーリ入り)は上手く合致するだろうと言うけど、僕自身はどんな状況でも感情に飲み込まれないようにしている」

 またリカルドは、サインツJr.が昨シーズンのブラジルGPデマクラーレンに6年ぶりの表彰台をもたらしたこともあり、フェラーリのシートを獲得した理由もよく理解できると語っている。

「カルロスがフェラーリに合うだろうことはわかっている。だから、『なぜ僕じゃないんだ?』なんて思うようなことは無いよ」と、リカルドは言う。

「カルロスはとても強力な2019年を過ごしていた。彼は今ちょっと“ホットな”ドライバーだし、彼らが今いる位置によくフィットすると思う」

 リカルドは2019年以降の選択肢を検討する際に、マクラーレンとも話し合いを行なっていたという。

 当時は最終的にルノー加入を選んだリカルドがその2年後にはマクラーレンへと移ることになったわけだが、その決定の背景に何か特定の瞬間や要素があったわけではなく、そこに“白か黒か”の答えは無いという。

「“ピコン!”と電球が光るような瞬間は無くて、僕は『ああ、これが僕の必要としていることなんだ』と分かったんだ」

「それと同じで、マクラーレンで見た何かがそれを生み出したわけでもないし、ルノーで見た何ががそうした“移籍しなきゃ”という瞬間を作り出したわけでもない」

「マクラーレンとの話し合いは2018年以前にもさかのぼっていて、時間をかけてきたと思う」

「言うまでもなく一朝一夕の決断じゃない。ふたつのチームを比べるのはフェアじゃないと思うよ」