今年5月、フェラーリは現在所属するセバスチャン・ベッテルとの契約を今期限りで更新しないことを公表。ベッテルは6年所属したフェラーリを離れることになった。

 現在のところ、ベッテルの将来については不透明な状況だ。トップチームであるメルセデスは彼の獲得について否定こそしていないものの、現在のラインナップを継続することが最優先と公言古巣レッドブルも獲得には否定的だ。そのため彼がF1キャリアを継続させるためには中団チームへの移籍を選ぶしか無いように思える。そうした状況の中、ベッテルについては今季限りで引退するのではないかという噂もある。

 だがかつてレッドブル時代にベッテルのチームメイトだったマーク・ウェバーは、ベッテルが2021年を1年間のサバティカル休暇として用い、再びF1の世界に戻ってくるのではないかと考えている。

「僕は彼が1年間の休暇を取ると思っている」と、ウェバーはF1 Nationのポッドキャストで語った。

「彼が元気を取り戻して、再び“F1の先頭集団で戦いたい”という精神に立ち戻ることを、僕らみんなが願っている」

「究極的には、それは少しずつ難しくなっている。30代後半にもなればポジションやシナリオによっては、0.1秒というのはちょっと長いものになる」

「僕はブリーフィングなどでモチベーションが下がり始めていたら、気をつけるべきだと思っていた。そうなってしまえば、周囲の人々は彼をプッシュすることはできない」

「ハングリー精神があり、モチベーションに溢れ、規律正しく、そして自分がチームと一体になっていれば、目標を達成することができる。でももし10割のうち9割5分程度だったなら、スタッフと同じ目標を持つことはできない」

 ベッテルはフェラーリに在籍中、タイトル争いを演じた事もあったが、メルセデスとルイス・ハミルトンのタッグに破れ続けてきた。

 そして昨シーズンは、シャルル・ルクレールという若く才能あふれるドライバーがチームメイトとして加入し、互角の争いに突入。ルクレールがその頭角をメキメキと表し、チーム内での世代交代を印象づけた。

 ウェバーはフェラーリ歴代のチャンピオンと比べても、ベッテルが同じようにチームと団結していたとは考えていない。そして、そのことが彼の放出という結果に繋がったと考えているのだ。

「110%となる彼の取り組み方を僕は知っている。彼はそれに多くの時間と努力を費やしていて、(チームにも)同じように明瞭であることを期待しているんだ」

 ウェバーはそう語る。

「ミハエル(シューマッハー)がフェラーリに居た時には、ロリー・バーン、ロス・ブラウン、ジャン・トッドがいて、様々な文化が混ざり合っていた。それをミハエルが支配していたんだ。イタリア人をやり玉に挙げているわけではないけど……イタリア人のスタッフばかりの時には、まだ何も達成していないと言っているだけだ」

「あの体制のもとで、セブはできる限りのことをしてきた。そして“息切れ”を起こしてしまった」

「そしてシャルルがやってきた。彼は明らかに速いし、エネルギーは満タン。洗礼されていなくともやる気は十分だ。そういった愚直さというのは素晴らしいものなんだ。他に何も知らないから、ただやってきて実行する。セバスチャンは何年もそこに居て、それまで必死になって物事を進めてきたんだ」

「彼はフェラーリで難しい時期を過ごしてきた。それに疑いはない。僕は彼らがセバスチャンを失って恋しがるだろうと思うよ。そして彼らはその経験を失ってしまうことになるだろう。確かにルクレールはチャンピオンクラスのドライバーだ。でも短期的に見れば、彼らがセブの経験を失うのは勿体ないと思う」

「彼が今ベッドから起き上がる時のモチベーションは、“赤いマシンを走らせる”というところからきているわけではない。それが問題なんだ」