昨年はウイリアムズから9年ぶりのF1カムバックを果たしたロバート・クビサ。2020年はARTグランプリが運営するBMWのカスタマーチームからDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)に参戦する。

 クビサは昨年12月に行なわれたルーキーテストにおいて初めて、Class1規定に準拠したBMW M4をドライブ。そして今週ニュルブルクリンクで行なわれたプレシーズンテストでは4日間で541周を走破し、12番手でテストを終えた。

 35歳のクビサは今季、エド・ジョーンズ、ファビオ・シェーラー(共にアウディ)といった若手ドライバーと共に、ルーキーとしてDTMに参戦する。また、アウディのレネ・ラストやBMWのマルコ・ヴィットマンといった経験豊富な実力者たちとも競い合うことになる。

 DTMでのデビューシーズンの目標を聞かれたクビサは、次のように語った。

「僕は今年のことを非常に現実的に考えている」

「もちろん、この選手権に参戦しているドライバーを高く評価している。僕はこのマシンでの(レース)経験がないから、深い海に飛び込むような感じだ」

「F1はモータースポーツの最高峰で、WRCはラリーの最高峰だ。僕はその両方に参戦したけど、競争の激しさという面ではDTMも遜色ないと思う。僕にとっても大きな挑戦になる」

「DTMのレースウィークエンドは非常にコンパクトにできているし、走行時間もそう多くない。だから学べるチャンスが限られているんだ。ここでは経験が非常に大きな役割を果たすだろう」

 BMWのティモ・グロックも、クビサと同じくF1からDTMに転向したドライバーのひとりだ。彼は2013年にDTMデビューを果たしたが、同年の最終戦で初優勝を挙げるまではなかなか結果が出せずにいた。彼は「DTMのマシンを速く走らせる方法を理解するのには時間がかかった」と後に認めている。

 クビサもまた、DTMマシンに適応することは簡単ではないと考えており、Class1規定のマシンを理解するためには既存の知識を一旦忘れる必要があると語った。

「走らせ方が独特なF1というカテゴリーで長くレースをしていて、その後DTMに転向するのは簡単ではない。レベルも非常に高いし、ドライバーたちも経験豊富だ」

「もちろんどんなマシンをドライブしているかだったり、その年その年の状況だったりでそれは変わってくるけど、(マシンへの適応は)間違いなく難しい面のひとつだ」

「ドライブの面だけでなく、その操作手順、例えばスタートなどに適応するのも大変だ。もちろんスタンディングスタート自体はたくさん経験してきたけど、最後に足でクラッチを操作したのは17年前なんだ」

「これまでのカテゴリーで培ってきた経験は、数パーセントしか役に立たないと思う。それらは一旦忘れて、このマシンを走らせるのに何が必要なのか、何が最適なのかを学ばないといけない」

 2020年シーズンのDTMは新型コロナウイルスの流行を受けてカレンダーが改定され、8月1日〜3日にスパ・フランコルシャンで開幕ラウンドが行なわれる予定となっている。