ライバルに対して一歩出遅れていると考えられているフェラーリは、2020年のF1開幕戦オーストリアGPで状況を好転させるべく、ギヤボックスとエンジンのアップグレードを行なう予定のようだ。

 2月にカタルニア・サーキットで実施されたプレシーズンテストでフェラーリは、メルセデスやレッドブルに対して遅れをとっていた。そして、チームもそれを認める発言をしていたのだ。

 F1は予定通り開幕戦を実施するべくオーストラリアに向かったものの、新型コロナウイルスの影響により、走行直前に開催が中止となった。オーストラリアではマシンが走行しなかったため、各チームは7月5日に決勝が行なわれるオーストリアGPに向けて、好きなようにマシンを改良するチャンスを得た。

 フェラーリはこの期間を利用し、ふたつの重要な変更を準備した。まずひとつは、ギヤボックスのアップデートだ。プレシーズンテストで、ギヤボックスアセンブリの強度不足が明らかとなったのだ。

 改良により重量と空力には悪影響が及ぶものの、ギヤボックスが堅牢化することによる全体的なメリットによってそれらは相殺されるだろう。

 主にマシンのハンドリング特性が改善されるほか、タイヤのパフォーマンスと寿命を改善するという利点ももたらされるだろう。

 これらのアップデートがカスタマーチームであるハースとアルファロメオも使用可能なのか、開幕戦に合わせて変更を適用できるのかは不透明だ。

 また、フェラーリはオーストラリアGPに持ち込まれた初期仕様のパワーユニット(PU)ではなく、アップデートが施された第2世代PUをオーストリアGPに持ち込むようだ。

 通常、PUのアップデートは1基目のPUのライフが尽きる頃、おそらく第8戦アゼルバイジャンGPごろに投入されていたはずだ。しかしながら、オーストラリアGPでは走行がなかったため、PUマニュファクチャラーが望むなら自由に新たな仕様のPUを搭載することができる。

 新しいPUは、2020年に採用された新たなレギュレーションによって失われたパフォーマンスの一部を取り戻すため、前の仕様よりも約15馬力パワーアップしていると考えられる。

 フェラーリのチーム代表であるマッティア・ビノットは、レッドブルリンクで行なわれる2レースはフェラーリにとって難しいものになるとコメントしている。こうしたアップデートはフェラーリのニーズに基づき、優先順位が変更された可能性が高い。

 なお空力に関して、レッドブルリンクへの取り組みはメルボルンのアルバートパークとほぼ同じだ。したがって、ビノットはマシンは基本的には以前と同じだと示唆している。つまり空力コンセプトの変更は予定されておらず、空力のアップデートはその後のレースで実施されるということだろう。