7月3〜5日にオーストリアでついにシーズンがスタートするF1。ホンダは6月23日にシーズンプレビュー取材会をオンラインで実施。HRD Sakuraのパワーユニット(PU)開発総責任者である浅木泰昭氏は、メルセデスと互角に戦い、チャンピオンを目指すと意気込んだ。

 本来、開幕戦が行なわれる予定だったのは3月のオーストラリアGPだったが、マクラーレンのスタッフに新型コロナウイルスの陽性反応が出たこともあり、走行開始直前に開催が中止された。その後、世界中でコロナが猛威を奮い、スケジュールが大幅に変更されることになったのだ。

 シーズン中断期間中には、シャットダウンされている各F1チームのファクトリーと足並みを揃えるよう、FIAからの要請に従ってホンダも35日間に渡って開発がストップすることとなった。

 そんな中でも、シャットダウンの時期以外はPUの開発が進められ、オーストリアに持ち込まれるPUは、当初の開幕戦オーストラリアGPに登場する予定だったモノから進化し、スペック1.1と呼ばれる仕様になるという。なお、今季はコスト削減のためPUのアップデートは凍結されており、ホンダはこのスペック1.1でシーズンを戦い抜くことになる。

「今年1年はスペック1〜3の3種類で1年を戦う予定でした。オーストラリアに持ち込んだのがスペック1ですね。順調に行けば、オーストリアではスペック2を使って戦っている予定でしたが、シャットダウンがあった分だけスペック2までに予定していた開発ができない部分が残ったので、我々としてはスペック1.1と呼んでいるPUでオーストリアを戦うことになります」

「どの程度パフォーマンスが上がっているかと言いますと、1年で伸びると想定されていたパワーのうち、3分の1くらい伸びている予定です」

「いきなりの実戦ですが、当然不安はあります。ですがそれを打ち消すようにSakuraのテストベンチなどで確認していますし、全員が同条件ですのでそこで戦っていくしかありませんね」

 昨年は一部のサーキットでメルセデスPUに肉薄していることを走りで証明してみせたホンダ。今季はメルセデスPUと互角の性能を発揮し、チャンピオン争いを展開するのが目標だと、浅木氏は話した。

「オーストリアは(昨年レッドブル・ホンダが勝利した)ゲンのいいサーキットですし、ターボの効率を含めて同等に戦えたサーキットなのですごく期待はしているんですが、メルセデスも昨年の問題点は解決していると思います。優位性が残っているんじゃないかという期待と不安と半々ですね」

「シーズンチャンピオンが目標になると思います。我々としては、メルセデスと五分のPUになったというところまで持っていきたいというのが目標ですね」

 取材会の最後には、検疫措置に対応するため既にイギリス入りしている山本雅史F1マネージングディレクターも登場。力強いシーズンにすることを誓った。

「いよいよオーストリアでF1が開幕します。マクラーレンとの3年間でホンダが失っていた感覚を取り戻す勉強をさせてもらいました。2018年にトロロッソ、昨年からレッドブルを加えて2チーム4台体制になりました。今年はひとつの大きい節目の年かなと思っています」

「2月のカタルニアのテストでは、F1に復帰して5年間で初めて、充実した日々を過ごしました。そんな中で迎えるシーズンなので、ファンの皆さんの期待に応えられるようにホンダ一丸となって、チャンピオン争いをして、年末には笑顔になれるように、ひとつひとつ謙虚に受け止めながらレースを戦っていきたいと思っています。みなさん、ご声援よろしくお願いします」