マクラーレンのカルロス・サインツJr.は、セバスチャン・ベッテルが2020年限りでフェラーリを離脱することを受け、その後任として2021年からフェラーリ入りすることが決まった。これは非常に早い段階での決定であり、サインツJr.は離脱することが決まったマクラーレンでフルシーズンを過ごす必要がある。

 新型コロナウイルスの影響でシーズン開幕が4ヵ月弱遅れたとはいえ、1戦もレースをせずに翌シーズンの移籍が決定するというのは珍しいケースだ。移籍が決まったドライバーたちはしばしばミーティングから外されたり、他チームへの機密漏洩を防ぐために情報を隠されることが多いが、マクラーレンのCEOであるザク・ブラウンは、それほど極端なアクションを取る必要はないと考えている。

「我々は2020年に共にレースをして、多くの成功を収めたいと思っている」

 そうブラウンは語った。

「彼(サインツJr.)はプロフェッショナルだし、我々もプロフェッショナルだ。情報を隠し始めると、2020年を成功した1年とすることはできないだろう。だから我々は2020年に全力を尽くしたいと思っているし、隠し事をするのは生産的でないと思っている」

「2021年マシンは2020年と同じようなものになるだろう。仮に21年のマシンが全く新しいものになるなら、その情報を共有することに違和感を覚えるだろう」

「しかし来年のマシンは事実上今年のマシンと同じなのだから、我々が隠し事することはない。カルロスの誠実さにも疑いの余地はない」

 サインツJr.と言えば、チームメイトのランド・ノリスと友好的な関係を築いており、F1でも屈指の“仲良しコンビ”として知られる。ブラウンは彼がフェラーリに移籍することによってマクラーレンの雰囲気に影響を与える可能性はゼロではないとしたが、サインツJr.とシャルル・ルクレールの新コンビがフェラーリで必ずしも同じような関係になるとは考えていない。

「幸いなことに我々はカルロスと素晴らしい関係を築いている」とブラウンは言う。

「我々はオフシーズンの間、お互いに透明性を持って接してきた。彼はプロフェッショナルで、我々のために素晴らしい仕事をしてくれたし、彼の家族も我々の友人だ」

「おそらく今年は、ベッテルとルクレールがいるフェラーリのガレージがかなりエキサイティングなものになると思う。それはしかるべき理由でそうなることもあれば、不純な理由からそうなることもあるだろう」

「我々のガレージは調和がとれているし、カルロスとランドは互いに競い合いながらも、互いを尊敬し合っている」

「そのことをとても誇りに思っている。ドライバーたちがマクラーレンでドライブしたいと思えるようなガレージの雰囲気作りができたと思っている」