新型コロナウイルスにより開幕が遅れた今季のF1。各チームは財政危機を乗り切るため、一連のコスト削減策に合意した。

 これにより、今季はパワーユニット(PU)のアップグレードが大幅に制限されることになる。信頼性向上を目的とした改善を除き、MGU-Kとエナジーストア、コントロールエレクトロニクスのパフォーマンスアップグレードは1回のみ、その他のエレメントは基本的に仕様が凍結される。

 ホンダはオーストリアGPに向けて、”スペック1.1”と呼ばれるアップグレードPUを持ち込んでいる。メルセデスも、3月のオーストラリアGPに持ち込んだ仕様と比べ信頼性が向上した新スペックのPUを用意している。しかしフェラーリとルノーは、PUのアップデートを実施していない。

 ルノーF1チームのマネージングディレクターのシリル・アビテブールは、シーズン短縮の結果として財務状況が複雑になっていることから、PU開発の棚上げを含む、妥協を余儀なくされたと説明した。

「非常に深刻な危機を乗り越えるため、我々が決断したことにより、いくらかの犠牲も生まれた」

 そうアビテブールは語った。

「我々は分配金の大幅な減少について話し合っている。また、非常に誠実なスポンサーとの話し合いもしているが、彼ら自身のビジネスも課題に直面している」

「いくつかの決定をしなければならなかった。そのうちのひとつが、エンジン開発を一時停止し、次のステップをどうするべきかを議論することに焦点を当てるということだった。つまり、今年はエンジンのアップグレードを期待していないということだ」

 トップ3チームとの差を縮めることを目標にしているルノーだが、昨年はマクラーレンの後塵を拝し、コンストラクターズランキング5位に後退した。

 しかし、アビテブールはチーム体制における”弱点の兆候”は昨シーズンまでに特定されており、チームが立ち直る可能性について楽観視している。

「2018年を振り返ると、我々は(コンストラクターズ)ランキング4位だったが、トップチームに追いつくために適切な開発能力がなかったのは明らかだ」

「マクラーレンはすでに、かなりの上昇基調にある。我々は技術面のリーダーシップを大幅に変更する必要があった」

「エンジンの進歩は順調だと思う。我々は今、車体の方に焦点を合わせる必要がある。それは今後を見据えた決断の一環でもある」

「私はプレッシャーを感じているが、同時に今季に自信を持ってもいる」