F1第4戦イギリスGPの決勝レースがシルバーストン・サーキットで行なわれた。レースはまさかの形で決着し、メルセデスのルイス・ハミルトンが優勝した。

 今回、新型コロナウイルスに罹ったセルジオ・ペレスに代わり、ニコ・ヒュルケンベルグがレーシングポイントから参戦。予選13番手からレースに臨む予定だった。

 しかし、ヒュルケンベルグのマシンにはパワーユニット関連のトラブルが起きてしまったようで、既定の時間内にダミーグリッドに向かうことができず、ピットレーンスタートが確定。ガレージでマシンをリフトアップし、メカニックが慌ただしく作業にとりかかったが、スタートには間に合わずリタイアとなった。

 シルバーストン・サーキットは気温21度、路面温度41度。予選時とほぼ同じような気候条件でフォーメーションラップがスタートした。

 予選の結果、メルセデスのルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタス、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)のグリッドトップ4に加え、6番手のランス・ストロール(レーシングポイント)はミディアムタイヤでのスタートが決定。11番手以降は全車がミディアムタイヤでのスタートとなった。

 52周のレースがスタートすると、ボッタスが良い蹴り出しを見せるが、ハミルトンがアウト側からうまく抑えてターン1をトップで通過。ルクレールは一時フェルスタッペンの前に出るが、フェルスタッペンはなんとか3番手のポジションを取り戻した。

 オープニングラップの最終コーナーでは、アレクサンダー・アルボン(レッドブル)とケビン・マグヌッセン(ハース)が接触。コース外にはじき出されたマグヌッセンのマシンがランオフエリアで止まったことで、セーフティカーが出動した。後に、この接触に関してはアルボンに5秒のタイム加算ペナルティが出された。

 5番手にカルロス・サインツJr.(マクラーレン)、6番手にはダニエル・リカルド(ルノー)が続いた。5番手スタートだったランド・ノリス(マクラーレン)は、オープニングラップでブレーキングミスがあり7番手にポジションを落とした。

 6周目にレースが再開。ハミルトンはうまくリスタートを決めトップをキープ。最速ペースでボッタスとのギャップを開きにかかった。後方では、アルボンがピットイン。ハードタイヤに履き替えた。

 DRSが使用可能になった8周目には、ハミルトンがボッタスに対して1.3秒差。3番手のフェルスタッペンはメルセデス勢にジリジリと離されていく。ただ4番手のルクレールもフェルスタッペンにはついていけず、トップ3が早々に隊列から抜け出していった。

 中団争いは比較的各車の間隔が近いまま、徐々にソフトタイヤでスタートしたマシンのペースが悪くなっていった。

 そんな中、19番手スタートから12番手までポジションを上げていたダニール・クビアト(アルファタウリ)が12周目のターン11でスピンし激しくクラッシュ。このレース2度目のセーフティカーが出動した。

 これを見て、6番手を走っていたダニエル・リカルド(ルノー)を先頭に各車がピットイン。上位陣は翌周のピットインとなったが順位が大きく変わることはなく、ピットに入らず5番手につけたロマン・グロージャン(ハース)以外は全車がハードタイヤを装着した。

 リスタートは19周目。ここでもうまくハミルトンがスタートを決め、トップを維持。後方ではサイドバイサイドのバトルが展開され、ノリスがリカルドをオーバーテイクし、7番手とした。

 ハミルトンとボッタスはファステストラップを出し合いながら、1〜2秒前後のギャップのまま周回を重ねていった。3番手フェルスタッペンと4番手のルクレールはそれぞれ単独走行状態に。まだピットインしていないグロージャンがふたをする形となり5番手以降が隊列を形成していたが、23周目にはサインツJr.が、25周目にノリスがグロージャンを交わした。

 14番手からポジションを上げていくことができていなかったアルボンは、31周目に5秒のペナルティを消化し、ミディアムタイヤへと交換。グロージャンは36周目にリカルド、37周目にはストロールにも抜かれたこともあって、ピットインしタイヤ交換義務を消化。ピット作業にも時間がかかり、最後尾の17番手まで落ちた。

 38周目には、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)がベッテルをオーバーテイク。ポイント獲得圏内の10番手に浮上した。

 ハミルトンに食らいついていたボッタスは、無線でバイブレーションが出ていると訴えペースが低下。ハミルトンとのギャップが3秒以上にまで広がっていった。3番手のフェルスタッペンはファステストラップを記録したものの、10秒以上に開いたボッタスとのギャップを一気に削っていくには至らなかった。

 中団争いでは、タイヤが苦しいのかストロールのペースが低下。エステバン・オコン(ルノー)に交わされ9番手に下がると、49周目にはガスリーもストロールをオーバーテイクした。

 タイヤが新しいアルボンは、ペースが苦しいマシンたちを続々とオーバーテイク。ポイント獲得を目指して追い上げを続けた。

 すると50周目、2番手を走っていたボッタスに異変が発生。左フロントタイヤがパンクしてしまいスロー走行でピットに戻った。これで2位がほぼ確定したフェルスタッペンは残り2周のところでピットイン。ソフトタイヤに交換し、ファステストラップを狙いにいった。

 しかし最後まで波乱は続く。5番手にいたサインツJr.がパンク。さらにトップを走っていたハミルトンも、最終ラップで左フロントタイヤのパンクに見舞われてしまう。サインツJr.はピットに飛び込んだが、ハミルトンはそのままフィニッシュを目指すしかなかった。

 半周以上スロー走行を強いられた手負いのハミルトンは、フェルスタッペンに5.856秒差をつけて何とかトップでフィニッシュ。猛然と追い上げたフェルスタッペンはファステストラップのボーナスポイントを記録したものの、ハミルトンを抜くまでには至らず、2位でレースを終えた。

 3位にはルクレールが入ったが、フェルスタッペンにはピットストップ1回分の差をつけられた。4位以下リカルド、ノリス、オコン、ガスリー、アルボン、ストロール、ベッテルまでがポイント獲得した。

 フレッシュなタイヤで猛然と追い上げたアルボンがポイント圏内までカムバック。一方、ボッタスはまさかの失速で11位……ノーポイントとなった。