先週シルバーストン・サーキットで行なわれたF1イギリスGP。その最終ラップで、メルセデスのルイス・ハミルトンが左フロントタイヤをパンクさせ、そのままチェッカーフラッグを受けた。後方からはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが迫っていたが、ハミルトンも手負いのマシンでプッシュし、なんとかポジションを守った格好だ。

 でも実は、ハミルトンには最終ラップにピットインするという選択肢もあった。シルバーストンのピットレーンは、メインストレートよりもコースの内側に設けられており、いわばショートカットのような格好になっている。そしてピットレーンでチェッカーを受けることも違法ではない……そのため、パンクを喫したハミルトンにとっては、ピットインした方が”安全”だったはずだ。

 しかしハミルトンは、そのパンクしたタイヤを履いたまま、コース上に留まって最終ラップを完了することを選択した。

 FIAの前レースディレクターであるチャーリー・ホワイティングは、最終ラップでピットレーンを通るドライバーたちに対して言及していたこともあった。でも、現在はそれが省略されている。

 今週末のF1 70周年記念GPでも、タイヤのライフが懸念されている中、この話題について話し合いがもたれた。その結果、現在レースディレクターを務めるマイケル・マシは、日曜日に発行したメモに次のように記している。

「スポーツの公平性と、FIA国際スポーティング・コードの規定に従ってイベントの秩序ある行動を促すため、レースを終える際にコース上のコントロールラインを横切らないマシンは、スチュワードに召喚される」

 つまり、メインストレートを通過せずにフィニッシュしたドライバーは無条件でペナルティなどを受けるということではなく、状況は考慮されるということになりそうだ。

 ピットレーンに入ることがショートカットになるという事案は、これまでにも度々起きてきた。1993年にドニントンパークで行なわれたヨーロッパGPの際には、本コースを走るドライバーよりもピットレーンを走るマシンの方が速いという事象も起きた。

 また1998年のイギリスGPでは、ミハエル・シューマッハーがペナルティを消化するために最終ラップにピットイン。そのままチェッカーを受け、勝利を手にするということもあった。