F1のタイヤサプライヤーであるピレリは、2021年に向けたプロトタイプタイヤのテストをシーズン後半へと延期することを明らかにした。

 F1は現在、2019年仕様のタイヤを使っているが、来たる2021年シーズンも現行のタイヤを使用する予定だ。しかしマシンのダウンフォースレベルが向上し、タイヤへの負荷が増えることが予想されているため、ピレリは来季に向けたプロトタイプタイヤのテストを実施して、可能であればそれを改善したいと考えている。

 しかしレース以外でタイヤテストを行なう機会がないため、今季からはスポーティングレギュレーションが変更され、レースウィークの金曜日に行なわれるフリー走行2回目の最初の30分間でプロトタイプタイヤのテストが可能となった。これには全ドライバーが参加する義務がある。

 そのテストは当初、第5戦F1 70周年記念GPで実施される予定だった。しかしながら、第4戦イギリスGP決勝でタイヤトラブルが頻発したことを受け、第5戦でのテストは現在のタイヤでの走行時間を確保するためにキャンセルとなった。そしてテストは第6戦スペインGPに延期となっていたが、これも後に中止となった。

 ピレリのカーレーシング責任者であるマリオ・イゾラによると、10月にアメリカ大陸ではなくヨーロッパでのレースが追加されたことで物流上の問題が緩和され、ピレリが後半戦でのテストに向けてさらに改善を進める機会が与えられたようだ。

 イゾラは次のように説明した。

「当初の計画ではシルバーストンでの2戦目とバルセロナでプロトタイプのテストを行なう予定だったが、我々はふたつの理由からそれを延期することになった」

「まず第一に、新しいプロトタイプをさらに評価することができるようになったためだ。そして第二に、ヨーロッパで行なわれるレースが延長されたため、9月中旬以降のレースでもテストが可能になったためだ」

 イゾラはそう語ったが、これには懸念点もある。それはシーズン後半にレースが開催されるサーキットが、ニュルブルクリンク、イモラ、ポルティマオ(アルガルヴェ)など、ピレリにとって馴染みの薄いサーキットだという点だ。しかしながらイゾラはそれも克服できると考えている。

「どのサーキットがよりテストに適しているサーキットなのか、まだ研究開発部門と話をしていない」とイゾラ。

「新たに開催されるサーキットに行くことになったとしても、我々は心配していない。我々は基準値を持っているのだ。だからデータのないサーキットに行っても、週末のうちにデータを収集して、プロトタイプタイヤとの比較をすることができる」

「バルセロナのような、データが豊富でよく知るサーキットの方が良いというのは、確かに正しい。しかしながら我々は、プロトタイプを見直すのにもう少し時間をかけて、もう少し大きなステップを踏んだ方が良いと考えている」