2020年のスーパーGT第3戦鈴鹿(GT500クラス)で、第2戦に続いて予選ポールポジションを獲得したホンダ陣営だが、佐伯昌浩ラージプロジェクトリーダーは長年車両開発にも携わっている伊沢拓也が自身のアタックで初めてポールポジションを決めたことを喜んでいた。

 朝から気温30度を超える灼熱のコンディションとなった第3戦鈴鹿の予選日。その中で安定した速さをみせたのが#64 Modulo NSX-GTだった。午前の公式練習でトップタイムを記録すると、予選Q1では大津弘樹がトップ通過を果たし、Q2では伊沢が完璧なアタックを披露。チームとしても久しぶりのポールポジションとなった。さらにホンダ勢はQ2に4台が進出し、開幕2戦の富士から舞台が変わった鈴鹿でも彼らの一発の速さは健在だった。

「今日はエンジン、車体ともに大きな問題も出ない1日で、その中でナカジマレーシングが全員で上手くまとめあげてくれて2戦続けてNSX-GTがポールポジションを獲ることができました」

「このクルマ(FR化したNSX-GT)で、この夏のコンディションの中、タイヤへの入力が高い鈴鹿を走るのは初めてでした。前回までの富士からの流れからすると8号車(ARTA NSX-GT)と100号車(RAYBRIG NSX-GT)が上位に入ると思っていましたが、当然タイヤメーカーも技術競争をしているので、この条件にぴったりハマったダンロップタイヤを履く64号車がポールポジションということになりました」

「明日の決勝に向けては、今の天気予報だと不安定で予測できませんけど、しっかりポイントを獲っていくレースができればなと思います」

 そう、予選日を振り返った佐伯LPLだが、長年にわたって車体やエンジンの開発にも携わっている伊沢が自身のアタックで初めてポールポジションを決めたことについては感慨深い様子だった。

「伊沢選手がポールを獲ってくれたのは本当に嬉しいですね。このクルマを作るにあたって開発ドライバーとしてずっと一緒にやってきました。今年はチームの移籍とかもあり、タイヤもブリヂストンからダンロップに変わるなど(大きな変化が)ありました。でもドライバビリティの部分に関して、我々は今でも伊沢選手と相当テストをやらせてもらっています。それもあって、この結果につながったんじゃないかなというふうに感じています」

「エンジンのことについては今でも伊沢選手に(開発の段階で)お願いして色々トライしてもらっているので、開発ドライバーがポールポジションを獲ったという感じで、HRD全体としても嬉しい結果ですね」

 今シーズンは開幕戦でGRスープラ勢に勝利を奪われたが、先日の第2戦では#17 KEIHIN NSX-GTが新型マシンでの1勝目を飾った。対ライバルとの部分では“1勝1敗”というホンダ勢。明日の決勝レースで佐伯LPLは陣営の2勝目を狙うとともに、これからのチャンピオン争いをより優位に進めていくためにも、ホンダ勢全車の上位進出を期待していた。

「それ(ホンダ勢の2勝目を狙いたい気持ち)もありますし、今回ブリヂストンタイヤを履いたスープラ勢にあまりポイントを多く持っていかれると、シーズンを通して厳しくなってしまいます。そこを抑えるためにもダンロップタイヤを履く64号車、ヨコハマタイヤを履く16号車に頑張ってもらいたいなと思います。あとはブリヂストンタイヤを履く3台にもどんどん追い上げていってもらうレースができればなと思っています」