2020スーパーGT第4戦もてぎで優勝を飾った塚越広大とベルトラン・バゲットは、今回の勝利はあくまで通過点だと語り、チャンピオンを狙っていくと力強く語った。

 不安定な天候に翻弄されるのでは、と予想されていた2020年のスーパーGT第4戦『FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE』の決勝は、雲間が広がりはしたものの雨に見舞われることもなく完全なドライコンディションでバトルが展開された。

 これを制して第2戦の富士以来となる今季2勝目を飾ったのが#17 KEIHIN NSX-GTの塚越広大/ベルトラン・バゲット組だった。

 記者会見場の檀上で塚越は「先ずはホンダとブリヂストン、チーム、もちろんバゲットに感謝です」と切り出した。

 そして「昨日は少しドタバタしましたが、午後の公式予選で流れを取り戻し、今日は2番手からのスタートになりました」と予選を振り返った。

「決勝ではキラキラ輝くようなドライビングをしたいと思っていました」という塚越だが、前半のスティントを担当したバゲットが38号車(#38 ZENT GR Supra)を抜く時に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたので、僕も何とかお返ししたいと思ってスタートしました」と僚友を褒めつつ自身の気持ちを吐露していた。

 前半に続いて、後半のスティントでもセーフティカーが導入され、塚越が築いたマージンも一旦は帳消しにされてしまったが、「ペースとしては決して負けてないのは分かっていたので、リスタートしたら全力で走り切ろう」と気持ちを切り替えたという。

 シーズンの開幕から優勢を続けるGRスープラに対しては「開幕戦ではGRスープラの強さが目立っていましたが、第2戦の富士は予選でNSXがフロントロウを独占し、決勝でも僕たちが勝って巻き返すきっかけになりました。そうしたら鈴鹿では予選でNSXがポールを獲ったけれど決勝ではGT-Rが勝っています」と分析。

「三つ巴の戦いは、いちファンとしては楽しみではあるのですが、やはりホンダのドライバーとしてはNSXをますます速く、そして強くしたいと思っています」とコメントしている。

 シーズン前半で2勝するのは、激戦のスーパーGTでは珍しい。当然、チャンピオンへの期待も高まってくる。

 そう問いかける取材記者に塚越は「シリーズの前半で2勝できたことは、チームにとっても、もちろん僕自身にとっても嬉しいのは言うまでもありません。ただ細かい点を見ていくと、チームやスタッフ、それぞれに課題もあります。鈴鹿での課題を見直したことが今回の優勝に繋がっています。バゲットとは、まず1勝しようとか、もう1勝したいなどと話したわけではなく、今回の2勝目も通過点でしかないと思っています。やはり目標はチャンピオンです。荒れた天候などに翻弄されるのではなく、それを味方にするような強さを、チームとしてもドライバーとしても手に入れたい。そしてチャンピオンを獲るためにベストを尽くしたいですね」とキッパリ。

 そんな塚越とコンビを組んで2シーズン目となるバゲットも「シーズンも折り返しとなる今の時点でポイントリーダーになれたことは、チャンピオンを狙う上では非常にポジティブだと思っています」と2勝目を喜んでいたが、さらに「今回の優勝でウェイトハンディも増えてしまい、第5戦の富士と第6戦の鈴鹿は非常にタフな戦いになると覚悟しています。だから優勝だとか、ポディウムを狙うのではなく、着実にポイントを稼ぐようなレースを心掛けたいと思います」とチャンピオンを見据えた心構えを口にしていた。

 そんなふたりだが次回の第5戦・富士からは観客を迎えての開催となることが発表されていることに対しては大いにウェルカムのようだ。

「シーズン前半は無観客のレースが続きましたが、新しい形でファンの皆さんと繋がることができたと実感しました。でも出来ればファンの皆さんに、実際にサーキットに来てレースを見てほしいです。皆さんの支えがあってこそのレースですから」と塚越が言えば、バゲットも「次回の富士ではお客さんが入ることになるのは楽しみです。5000人というのは少ない気もするけれど、ファンの皆さんの前で走れるのは最高ですね。そしてこれが一歩目のステップになって、少しずつでもお客さんを多く迎えることができるようになり、そんなファン皆さんの前で好い結果が出せれば最高ですね」と応えていた。

 サーキットに詰め掛けたファンに、素晴らしいレースを見てもらいたいというのは、2人にとってタイトルを獲ることと同じくらい楽しみなのだろう。