ニュルブルクリンクで行なわれたアイフェルGPは、気温8度、路面温度17度という非常に低温のコンディションで行なわれた。これは、長いF1の歴史上でも、もっとも寒いレースのひとつだったと言えよう。


 このコンディションにより、各ドライバーはレース序盤でタイヤの温度を上げるのに苦労した。またレース終盤にセーフティカーが出動した際には、タイヤの温度を維持するのに苦しむシーンも見られた。

 メルセデスのルイス・ハミルトンは、タイヤの温度がさらに下がるのを防ぐため、セーフティカーを早くピットに戻すよう訴えた。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンも、同様のリクエストをしている。

 メルセデスは今季、DASと呼ばれるシステムをテストから採用している。DASはステアリングホイールを押し引きしてフロントタイヤのトー角をコントロールするものであり、これを活用してタイヤを温めるのをサポートしている。

 しかしメルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、ハミルトンが隊列の先頭でタイヤを温める上で、DASが革新的な働きをしたわけではないと語った。

「レッドブル、特にフェルスタッペンは、セクター1で非常に優れた速さを見せていたことが分かる」

 そうウルフ代表は語った。

「彼らのウォームアップと、彼らがやったことは、我々のそれよりも優れていた。しかし1周を考えた場合、我々はタイムを取り戻すことができた」

「DASはそのことに少し役立ったが、勝敗を決定づけるモノでも、飛び道具でもなかったんだ」

「ただそれは、フロントタイヤの温度を保つための、良いツールになっている」

 ハミルトンはアイフェルGPでF1史上最多となる通算91勝目を挙げたが、寒さのため、フェルスタッペンとの差を維持するのに苦労していたと明かした。

「とても寒いコンディションだったから、レースは信じられないほど難しかった」

 ハミルトンはそう語った。

「ピットストップから出てきた時には、タイヤがうまく機能しなかった。マックスとはかなりの差があったけど、彼は僕にどんどん近づいてきた。僕は新しいタイヤで、とても苦労していたんだ」

「それからセーフティカーが出動した。なんでそんなに遅いのか分からなかったよ。いずれにしても、全員が追いつく必要があったからかもしれない」

 レース後、FIAのF1レースディレクターであるマイケル・マシは、セーフティカー走行が長引いた理由を説明。当時すでに周回遅れになっていた6番手以下の全てのマシンが、同一周回に戻る必要があったとした。