様々なジュニアシリーズや、インディカーに自身の名を冠するチームを持っているトレバー・カーリン。彼はFIA F2選手権で起用している角田裕毅が、次のステップに進むことを期待しているようだ。

 ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)の一員であり、レッドブル・ジュニアチームにも所属している角田は今季、ホンダとレッドブルからのバックアップを受けてFIA F2にカーリンから参戦。ルーキーシーズンながら堂々たる走りを見せている。

 カーリンのチームオーナーであるトレバー・カーリンは、現在F2のタイトル争いをリードしているミック・シューマッハーがアルファロメオのドライバーとしてF1に昇格すると予想。しかし角田の方が、そのシューマッハーよりも速いドライバーだと自信を持っているようだ。

「間違いなく、ミックはアルファロメオのシートを得るだろう。私は、ユウキがアルファタウリのシートを得ることができると思う」

 そう彼はロイターに語った。

「私は、そこ(F2)で最速のドライバーはユウキだと思う。彼はリタイアやインシデントが多かったので、チャンピオンシップで遅れを取っているだけなんだ」

 角田は、シューマッハーと44ポイント差のランキング3番手につけているが、ランキング3〜6番手は僅差であり、今季残りの2ラウンド4レースで大きく順位が変動する可能性もある。

 角田が今季、F1参戦に必要なスーパーライセンスを取得するためには、ランキング4位以上でシーズンを終えることが条件だった。

 しかし、新型コロナウイルスの影響でスーパーライセンス獲得条件が緩和されたため、『シングルシーターのカテゴリーで一貫して卓越した運転能力を実証している必要がある』という条件付きながら、ランキング5位でもスーパーライセンスを取得できる可能性がある。

 また、ホンダが2021年限りでF1でのパワーユニット供給活動を終了したことで、角田のキャリアに影響があるのではないかという見方もあるが、トレバー・カーリンはそれほど悪影響があるとは考えていないようだ。

「私は、レッドブルがホンダのエンジンを使用することになると想像している。その呼び名が他のモノに代わっていたとしてもね」

「ユウキは本物だ。彼は学ぶのが本当に速いんだ」

「ユウキは(F2に)参戦してすぐにハードに戦っている。ルーキーながらタイトルを争っているんだ。日本人ドライバーではかなり久々だよ」

 彼のコメントは、佐藤琢磨の存在を踏まえたものだろう。元F1ドライバーで、2度のインディ500王者である佐藤は、かつてカーリンに所属。2000年にカーリンからイギリスF3に参戦した佐藤は、2001年に日本人初のイギリスF3チャンピオンに輝き、2002年にジョーダンからF1デビューを果たしている。

 先日、角田はアルファタウリのファクトリーでシート合わせを実施。さらに11月4日にはイモラでのテストも行なわれる。角田にとってはこれがF1マシンでの初走行になる予定で、F1昇格に向けた絶好のアピールチャンスになると言えるだろう。