10月2日、ホンダは2021年限りでパワーユニット(PU)サプライヤーとしてのF1参戦を終了することを発表した。その理由についてホンダは、2050年までにカーボンニュートラルを実現するため、リソースを振り分けることを決めたからだと説明している。

 ホンダが離脱することにより、F1に残るメーカーはメルセデス、フェラーリ、ルノーの3社のみ。参戦に興味を持つ新たなメーカーの存在は明らかになっていない。

 F1は、2026年に新たな規格のパワーユニットを導入する予定になっているが、ホンダの参戦終了発表を受け、レギュレーション変更の時期を前倒しすべきだという声も上がっている。

 F1の首脳陣は、自動車業界が電動化を進めている現状でも、合成燃料を活用したハイブリッド・パワーユニットを使い続けることを目指している。

 メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、F1はハイブリッドシステムの販促および開発に適したプラットフォームであると感じているものの、そのテクノロジーのメリットは十分に伝え切れていないと考えている。

「我々はハイブリッドの話を十分に伝えられていないと思う」

 そうウルフ代表は語った。

「50%という熱効率を実現し、運動エネルギーや排気ガスのエネルギーをバッテリーに回生するという複雑なテクノロジーを搭載している。我々が使っているモノと、そこに活かされているテクノロジーを考えれば、F1はハイブリッド技術のかなり良いショーケースだと思う」

「次世代のPUは、将来に向けて、持続可能なエネルギー回生システム、そして推進システムの実現に、さらに寄与することになるだろう」

「ただ、コストについて検討する必要があることは分かった。現在のPUと同じように、エンジニアリング面が主導になることで、同じ過ちを犯したくないのだ」

「しかしその一方で、次世代のPUは革新的で、持続可能で、パワフルで、燃費効率が良く、リーズナブルな価格であることを確実にする必要がある」

 現在の規格のPUは、V6ターボエンジン+ハイブリッドシステムという形で、2014年シーズンから導入された。しかしメーカーにとってもカスタマーチームにとっても高価すぎるとして、その財政面を圧迫している。

 ホンダがF1参戦を終了することを発表したため、レッドブルは2022年以降に使うパワーユニットを早急に決めなければいけないが、F1参入に興味を持っている新たなメーカーはいないとみられるため、その選択肢は限られている。

「供給に伴うコストを考えると、それは莫大な額だ。F1が新たなPUサプライヤーやメーカーを引き入れることに失敗したのはそのためだ」

 レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーはそう語る。

「それは、コストの問題が原因となっている。そのコストは、レギュレーションによって引き上げられている。ホンダの撤退は、F1にとっては実に残念なことだが、本当の意味での目覚めを呼びかける要因ともなった」