ルノーF1は2020年12月に行なわれる予定のF1アブダビテストに来季からF1復帰を果たすことになっているフェルナンド・アロンソを参加させることを希望している。しかしライバルチームからの反対に遭っており、FIAが許可するかどうかも不明……。シリル・アビテブール代表はこの状況に憤りを隠していない。

 今年12月に行なわれる予定のF1アブダビテスト。このテストは当初の予定では、2021年から導入される予定だった18インチホイールを装着したミュールカーによるテストも行なわれることが予定されていた。

 しかし新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ホイールの18インチ化が含まれたテクニカルレギュレーションの導入が2022年へ後ろ倒しされたことを受け、同テストはルーキードライバーによるテストのみという形に変更された。

 レギュレーションでは、次のようにアブダビテストのフォーマットを規定している。

『若手ドライバーに現在のF1マシンをテストさせる機会を提供することを唯一の目的とした、1日のオプションテストである。チャンピオンシップの最終戦が開催されたサーキットで、開催後48時間以内に行なわれる。このテストでは2台まで同時にマシンを使用することが可能』

 テストの対象となるドライバーは『国際A級ライセンスを所持していること』と規定。さらに『FIAの承認がない限り、キャリアでF1世界選手権において2回を超えてレースに出場したことが無いドライバー』であることが条件となっている。

 しかし、このアブダビテストにおいてルノーは2度のF1世界チャンピオン経験者であるアロンソを走らせることを希望している。ルノーとしては、2021年に3年ぶりにF1へ復帰するアロンソに、現在のF1マシンでの走行経験を積ませたいのだ。

 そしてこの問題は10月26日に開かれたF1コミッションの会合でも取り上げられた。だがいくつかのチームがアロンソのテスト参加に反対の意向を示している。そのチームとは、マクラーレン、フェラーリそしてレーシングポイントなどであると考えられている。

 なおレギュレーションでは2年間レースに出場していないドライバーのために、チームは追加のテストを行なうことができるとされているが、これはシーズン中にレギュラードライバーを交代させた場合にのみ適用されることになっている。

 ただルノーF1のシリル・アビテブール代表は、FIAがアロンソのテスト参加を認めることを依然として期待していると語る。

「可能なことは何であれトライするのは普通のことだ」と、アビテブール代表はmotorsport.comに語った。

「だがほとんどのチームはより現実的だ。我々はFIAが許可してくれることを願うだけだ。ルノーは若手ドライバーのために多くのことをしている」

 なおアロンソは11月4〜5日にかけて、2年落ちのマシンR.S.18を使用したテストをバーレーンで行なう予定だ。

 一方、マクラーレンのアンドレアス・ザイドル代表は、チームがアロンソのアブダビテスト参加に原則的に反対していることを認めたが、会合の内情については詳しくは明かさなかった。

「F1コミッションで議論されたことについては話せない」と、ザイドル代表。

「なぜなら議題の下には大きく“機密”と書いてあったからだ」

「私が話せるのは、我々がアブダビでの若手ドライバーのテストをどう考えているのかということだけだ。今年パンデミックが始まったときに、レギュレーション変更に全員が同意したことは明らかだ。その結果、このテストは若手ドライバーのテストのみを目的とすることが明確になっている」

「ルールでは2回を超えて出走したことのあるドライバーは参加できないと記されている。そしてFIAには、独自の裁量で例外を設けることができる機会も与えられている」

「しかし繰り返しになるが、このテストの全体的かつ唯一の目的は、若手ドライバーのテストなんだ。だから私としてはこのトピックについて議論すべきことは多くないと思う」

「フェルナンドは素晴らしいF1ドライバーで、素晴らしい成功を記録している。そして彼が若手ドライバーのテストという目的に、どのように合致するのか、とんとわからない」

「一方で、もし彼が若手ドライバーと定義されたなら、正直に言ってそれは我々全員にとっての“素晴らしいメッセージ”になるだろう。なぜなら私自身も若いF1チームの一員だと思っているからね、良い気分だよ! つまり、このテスト実施を正当化できるものではない」

 なおマクラーレンとレーシングポイントはmotorsport.comに対し、アブダビテストで走らせるべき若手ドライバーが居ないため、同テストには参加しないことを明かしている。