新型コロナウイルスの影響で、レギュレーション変更を2022年に延期したF1。ホイールリム径を18インチに拡大した新しいタイヤの導入も、2022年に延期された。

 当初の計画では、ダウンフォースを調節した”ミュールカー”を各チームが用意し、計25日間のタイヤテストを分担。2020年シーズンを通じて、フィオラノやバーレーン、カタルニア、レッドブルリンク、シルバーストン、鈴鹿、ポールリカールなど世界中のトラックでスリックタイヤのテストを実施し、散水施設のあるポールリカールで計5日のウエットタイヤテストを行なう予定だった。

 今年2月には、ヘレスでフェラーリが1度テストを実施。しかし新型コロナウイルスのパンデミックが発生したことでテストプログラムが保留となっていた。

 レギュレーション変更の延期により、タイヤテストも2021年シーズン中に行なわれることになった。テストを経てタイヤの仕様を決定し、2021年の最終戦アブダビGP後に行なわれるタイヤテストで、全10チームが2022年タイヤの最終バージョンをミュールカーで試すことになっている。

 しかし新型コロナウイルスの影響が残り、レースカレンダーも不確実な中で、必要な日数のテストを実施するという難題に直面していると、ピレリのカーレーシング責任者であるマリオ・イゾラは語った。

「来年のカレンダーに25日間のテストを組み込むのは非常に難しいだろう。新型コロナウイルスの制限が残っている状況で、シーズンが始まるのは確実だ」

「暫定カレンダーが発表されてすぐ、何日か日程を確保しようと思う。例えば、グランプリ終了後の火曜日と水曜日にテストを行ない、可能な限り同じコースを使うというのもひとつの選択肢だ。これにより、チームの動きを最小限に抑えることができる」

「別の国へと移動する際に、検疫が必要な場所がまだあることも考慮しなければいけない。テストのために柔軟かつ賢い計画の立案を試みるが、テストができなければ18インチタイヤの導入ができないのは明らかだ。何らかの解決策は見つけなければいけない」

「簡単なことではないが、我々はベストを尽くす。チームとともに、テストをカレンダーに組み込んでいきたい」

 問題のひとつは、ウエットタイヤのテストに適切な設備が、ポールリカールとフィオラノの2箇所程度にしか存在しないという点だ。

「ウエットタイヤのテストのために、グランプリと同じサーキットでテストするのは難しいか、不可能だ」とイゾラは言う。

「スプリンクラーが設置されているポールリカール以外は難しい。フィオラノもスプリンクラーが設置されているが、フィオラノではグランプリを開催しない。だからウエットでのテストのためには、イベントに縛られない計画を立てなければならない」

 レーシングポイントのテクニカルディレクターであるアンドリュー・グリーンは、ピレリとチームが難しい課題に直面していることに同意した。

「来シーズンがどうなるかはまだ分からない。しかし来年の早い段階でパンデミックが終わらない限り、18インチのタイヤテストは非常に難しくなるだろう」

「我々は何かできると確信しているが、おそらく我々が望むようなテストスケジュールにはならないだろう」